汴州

汴州（べんしゅう）

汴州は、中国にかつて存在した州で、南北朝時代から五代十国時代にかけて、現在の河南省開封市一帯に設置されていました。

概要

汴州の前身は、東魏の天平初年に設置された梁州です。梁州は陽夏郡・開封郡・陳留郡の3郡10県を管轄していました。

北周の時代に、梁州は「汴州」と改称されました。隋の初期には、汴州は陳留郡とその属県の浚儀・開封の1郡2県を管轄下に置いていました。

583年（開皇3年）に陳留郡が廃止されたことにより、汴州が2県を直接管轄するようになりました。しかし、605年（大業元年）には汴州自体が廃止され、鄭州に併合されることになります。その後、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、鄭州は滎陽郡と改称されました。

621年（武徳4年）、唐が王世充を平定すると、滎陽郡浚儀県に再び「汴州」が置かれました。742年（天宝元年）には、汴州は陳留郡と改称されますが、758年（乾元元年）には再び陳留郡から汴州へと名称が戻されました。この頃の汴州は河南道に属し、浚儀・開封・尉氏・陳留・封丘・雍丘の6県を管轄していました。

781年（建中2年）には、汴州に宣武軍節度使が置かれました。この宣武軍は、後の朱全忠が台頭する基盤となります。

907年（開平元年）、五代の後梁により、汴州は開封府に昇格し、東都とされました。しかし、923年（同光元年）に後唐が後梁を滅ぼすと、汴州は再び宣武軍節度使の管轄下に戻されました。

938年（天福3年）には、後晋により汴州は東京に昇格し、開封府が置かれました。北宋の時代には開封府は東京とされ、金においては南京が置かれるなど、この地は重要な都市として発展を遂げました。

汴州は、その名称や管轄地域を変えながらも、中国の歴史において重要な役割を果たした地域であり、特に五代十国時代から北宋にかけての政治・軍事の中心地としての地位を確立しました。

脚注

（特定の脚注情報があればここに記述）

関連項目

開封府

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