高宗 (唐)

高宗（こうそう）について

高宗とは、唐の第3代皇帝を指し、父は太宗であり、彼の本名は治です。母親は名臣長孫無忌の妹、長孫皇后です。高宗の治世は彼自身の政治的な活動よりも、外戚や皇后による権力闘争が大きな特徴を持っています。

生涯の始まり

高宗は貞観17年（643年）に皇太子李承乾として育てられました。しかし、彼の異母兄である魏王李泰が父太宗に寵愛されていたことから、承乾は李泰を排除しようと武力を用いて失敗します。その結果、承乾は皇太子の地位を追われ、李治が新たな皇太子に選ばれました。太宗が亡くなった後、高宗は皇帝として即位しました。

この時期、高宗の異母兄である呉王李恪が王位を狙う動きもあったため、長孫無忌は李恪を謀反の疑いで自殺に追い込み、その家族を処刑しました。これにより、高宗の治世の安定が図られました。

厳しい時代と功績

永徽5年（654年）、高宗は万年宮に到着した際に発生した洪水の中、薛仁貴という軍人が彼を救いました。この事件は高宗にとって重要な出来事であり、再び彼の忠義を評価させる機会となりました。その後も、白村江の戦い（龍朔3年、663年）での勝利から、様々な外交活動を展開し、朝鮮半島での支配を広げていきました。具体的には、671年には倭王などを従え、泰山にて封禅の儀を行います。

ところが、新羅との関係が悪化し、673年には新羅が唐との同盟を破棄したことで、高宗は最終的に朝鮮半島の支配から手を引くことにしました。この頃、皇后武则天が実権を握り始め、外戚長孫氏は追放されますが、高宗自身は政務においてあまり活躍することがありませんでした。

知られざる権力闘争

高宗は武后の政治的影響を受け続け、彼女を廃位しようとする計画も失敗に終わります。高宗は晩年には健康を害し、特に眼病に悩まされるようになります。このため、彼の政権は完全に武后の手に委ねられました。最終的には、弘道元年（683年）に病により崩じました。

家族と後継者

高宗の家族構成は非常に多様で、正妻王皇后がいましたが後に廃位されました。武則天が彼の后となり、他的な権力を強化しました。子供には皇太子李弘（義宗）やに次の皇帝になる中宗李顕、睿宗李旦などがいます。また、数多くの側室が存在し、その中には武则天の親族もいました。特に、愛人として知られた韓国夫人や魏国夫人も彼の注目を集めることになりました。

文化的影響

高宗に関する作品も多く存在し、映画やテレビドラマなどでその治世が描かれています。近年では『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』や『則天武后』などがあり、彼の複雑な歴史を影響しています。高宗は中国歴史において重要な役割を果たし、その影響は現代にも色濃く残っています。

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