高尺スカイドーム

高尺スカイドーム

高尺スカイドーム（コチョクスカイドーム）は、大韓民国・ソウル特別市九老区に位置するドーム型の球場であり、韓国における初めての完全なドーム球場として知られています。このスタジアムは、2009年に着工し、2015年に完成しました。建設には総工費が1948億韓国ウォンが投じられました。

もともとこの球場は、2007年に閉鎖された東大門野球場の代替として、伝統的な野外球場として設計されていました。しかし、周囲に多くのマンションが建設され、そこに住む住民から騒音や照明の影響に関する苦情が寄せられたため、計画は変更されました。最初は半分だけ屋根のあるハーフドーム球場が検討されたものの、韓国野球代表が北京オリンピックで金メダル、ワールド・ベースボール・クラシックで準優勝を果たすことで、国民の野球への関心が高まり、最終的には完全なドーム形状に変更されました。

スタジアムは、81,018平方メートルの床面積を持ち、地上4階・地下2階の構造で、固定観客席は18,092席設けられています。屋根は約70メートルの高さで、テフロン加工膜を使用して自然光を取り入れる設計がなされています。さらに、グラウンドには最新の人工芝とメジャーリーグベースボール規格の土が使用されています。施設内には省エネルギーを考慮したLED照明が備わっており、スポーツジムも併設されています。このスタジアムは野球以外にも多彩な文化イベント、音楽コンサートなどを開催できるように設計されています。

高尺スカイドームを本拠地とするプロ野球チームは、韓国野球委員会（KBOリーグ）に所属するネクセン・ヒーローズ（現在はキウム・ヒーローズに改称）です。彼らは2016年から2017年までの2シーズン、ここをホームスタジアムとして使用しました。使用は年間約100日程度で、実際の利用日数に応じて使用料を支払う契約となっています。

初の国際試合は2015年に行われ、韓国代表とキューバ代表の親善試合が開催されました。この試合では観客の安全に関する問題がいくつか指摘されたため、ソウル特別市は、2016年からのプロ野球シーズンに向けて、観客席の通路の設置やダグアウトの改修、内野ネットの高さの変更など、複数の改善工事を実施しました。

こけら落としの試合は2016年4月1日に行われ、ネクセン・ヒーローズとロッテ・ジャイアンツの試合が初めての公式戦として開催されました。このスタジアムは、KBOリーグの中で唯一人工芝のフィールドを持つ球場です。2024年には、韓国初のMLB公式戦が開催されることも予定されています。

特別ルール

ドームの天井にボールが当たった場合、打球はインプレーとされ、守備側が捕球すればアウトとなります。これに関する初の事例は、2016年に起亜タイガースの選手が天井に打球を当てた際に発生しました。

アクセス

高尺スカイドームへのアクセスは便利で、韓国鉄道公社の首都圏電鉄1号線の九一駅からアクセスできます。駅からは外野3塁側の出入口まで徒歩約3分です。これにより多くの観客が利用しやすい場所にあります。

情報が豊富で多目的に活用できる高尺スカイドームは、韓国の文化とスポーツの重要な発信地として多くの人々に親しまれています。

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