高尾山 (大阪府)

高尾山：歴史と自然が織りなす柏原のシンボル

大阪府柏原市に位置する高尾山は、生駒山地の最南端に位置する標高は低いながらも、その険しい岩肌が特徴的な山です。山頂付近には三等三角点が設置されていますが、周囲を木々が生い茂っているため、麓からその全貌を望むことは困難です。岩場には、鐸比古鐸比賣神社の奥社の祠がひっそりと佇んでいます。

古代の息吹を感じる山頂遺跡

高尾山の山頂付近には、「高尾山山頂遺跡」と呼ばれる高地性集落の跡が残されています。この遺跡は、弥生時代後期から古墳時代初期にかけてのものとされており、当時の集落が比較的豊かなものであったことを示唆しています。その立地から、防衛上の目的も兼ね備えていたと考えられています。

大正14年（1925年）には、山頂南側のぶどう畑開墾中に弥生時代のものとされる『多紐細文鏡』が発見されました。この鏡は、朝鮮半島の青銅器時代に盛んに製作されたもので、日本国内での発見例はわずか8面という非常に貴重なものです。現在は東京国立博物館に保管されており、その精緻な文様は当時の文化交流を物語っています。

また、山麓周辺に広がる「大県遺跡」からは、古墳時代から奈良時代にかけての渡来系鍛冶技術集団の集落跡が発見されています。この遺跡からは、韓式土器や鉄縡など、渡来系の文化を示す遺構や出土品が多数見つかっており、当時の技術交流や文化伝播を知る上で重要な手がかりとなっています。

高尾山創造の森：府民参加で育む緑

高尾山創造の森は、地元住民と大阪府、柏原市が協力して整備した公園であり、「府民参加の森」とも呼ばれています。平成10年（1998年）に整備が完了し、鐸比古鐸比賣神社のある山麓から山頂付近にかけて、約27万平方メートルの広大なエリアが整備されました。

園内には、遊歩道や展望台が設けられ、自然を満喫しながら散策を楽しむことができます。また、柏原市の市章をモチーフにした直径35メートルのモニュメントも設置されており、記念撮影スポットとしても人気を集めています。

創造の森は、「憩いの森」、「冒険の森」、「郷土の森」、「野鳥の森」、「ふれあいの森」の5つのエリアに分かれており、それぞれ異なるテーマで自然を楽しめるように工夫されています。遊歩道にも「くつろぎの道」、「きぼうの道」、「いにしえの道」といった愛称が付けられ、分岐点には案内板が設置されているため、迷うことなく散策できます。

この豊かな自然環境が評価され、高尾山創造の森は「大阪みどりの百選」にも選定されています。

高尾山は、古代からの歴史と豊かな自然が調和した魅力的な場所です。山頂からの眺めは格別で、四季折々の風景を楽しむことができます。また、創造の森では、自然に触れ合いながらリフレッシュできるため、多くの人々に親しまれています。

外部リンク

柏原市タウンガイド＊高尾山 山頂
柏原市タウンガイド＊創造の森

もう一度検索