高山勝義

高山 勝義（たかやま かつよし）

1944年1月6日、千葉県館山市に生まれた高山勝義は、日本の元プロボクサーです。現役時代は、現在の新日本木村ボクシングジムにあたる木村ジムに所属していました。ボクシングスタイルはサウスポーで、特に左ストレートを最大の武器としており、アグレッシブに相手の懐に潜り込むインファイトを得意としました。

プロキャリアは1962年3月22日に始まりましたが、デビュー戦は判定で黒星を喫し、続く2戦目も引き分けというスタートでした。しかし、ここから高山選手の才能が開花します。その後は破竹の連勝街道を突き進み、プロ転向からわずか1年足らずの1963年1月28日には、第9回全日本フライ級新人王決定戦に出場。初回KOという鮮烈な勝利で新人王の栄冠を手にしました。この勢いは止まらず、同年8月22日には、当時日本フライ級王者であった斎藤清作（後のたこ八郎氏）とノンタイトル戦ながら対戦。10ラウンドの激闘の末、判定で勝利を収め、その実力を改めて証明しました。これらの活躍が認められ、1963年度のプロ・アマチュア年間表彰選手選考会では新鋭賞を受賞しています。

さらにキャリアを重ねた高山選手は、1965年10月7日、当時のWBA・WBC世界フライ級王者サルバトーレ・ブルニ選手（イタリア）とノンタイトル10回戦で対戦するというビッグチャンスを得ます。この試合で高山選手は、得意の左ストレートだけでなく、右フックやジャブも冴えを見せ、3ラウンドには決定的な左ストレートでダウンを奪うなど、終始試合の主導権を握り続けました。結果は判定勝利。現役世界王者から金星を奪うという快挙を成し遂げました。このブルニ戦の勝利を含む時期には、デビュー3戦目から数えて引き分けを挟んだ32連勝という驚異的な記録を達成しており、その功績が高く評価され、1965年度のプロ・アマチュア年間表彰選手選考会では殊勲賞に輝きました。

デビュー以来、わずか1敗3分の好成績で迎えた1966年3月1日、日本武道館でのリングは、高山選手にとって最大の舞台となりました。前王者ブルニ選手が王座を剥奪されたことで空位となっていたWBA・WBC世界フライ級王座を、オラシオ・アカバリョ選手（アルゼンチン）と争う世界王座決定戦が行われたのです。試合は序盤、高山選手が持ち前のインファイトで左右のフックを積極的に繰り出し、3ラウンドまでは優位に進めているかに見えました。しかし、試合が後半に進むにつれてアカバリョ選手の反撃に遭い、攻め込まれる展開となります。結果は1-2の判定負け。惜しくも世界王座獲得はなりませんでした。なお、この判定では、3人のジャッジのうち日本人ジャッジは高山選手の勝利を支持していました。

世界王座挑戦失敗からの再起戦は、同年5月1日に行われ、ここから再び勝利を積み重ね、6連勝を記録しました。そして1967年8月23日、高山選手は日本フライ級王座への挑戦の機会を得ます。チャンピオンはスピーディ早瀬選手でした。過去の対戦成績では高山選手が2勝1分と相性が良い相手でしたが、このタイトルマッチでは判定負けを喫し、またしても国内タイトル獲得はなりませんでした。

度重なるタイトル戦での惜敗を経て、高山勝義選手は1970年8月15日の試合を最後にプロボクサーとしてのキャリアを終え、リングを去りました。アグレッシブなスタイルと強力な左ストレートで多くのファンを魅了した高山選手の戦績は、多くの名勝負として今も語り継がれています。

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