高山輝義

高山 輝義

高山 輝義（たかやま てるよし、1879年〈明治12年〉10月4日生）は、日本の陸軍軍人であり、後に政治家としても活動した人物です。福島県の出身で、最終階級は陸軍少将。また、戦前期の若松市において第16代の市長を務めました。

経歴

高山輝義は、郷里である福島県で育ち、会津中学（第4回生）で学びました。その後、陸軍士官学校へ進み、第12期生として卒業しています。同期には、後に元帥となる畑俊六や杉山元、さらに内閣総理大臣を務めた小磯国昭など、日本の近代史に名を刻む多くの人材がいました。

1901年（明治34年）6月、高山は歩兵少尉に任官し、軍人としての第一歩を踏み出しました。以来、歩兵第65連隊の中隊長や同連隊の副官、さらには近衛歩兵第2連隊の大隊長など、歩兵科の要職を歴任していきます。現場での経験を積んだ後、1928年（昭和3年）には歩兵第79連隊の連隊長に就任し、約3年間にわたり部隊の指揮を執りました。

軍歴を重ねた結果、1931年（昭和6年）8月1日には陸軍少将へと昇進しました。しかし、同月中に予備役に編入となり、現役の軍務から退くこととなります。

若松市長として

軍を離れた後、高山輝義は政治の世界へと転じました。1942年（昭和17年）、彼は若松市の市長に就任します。これは、第二次世界大戦終結前の若松市において、最後の市長職となりました。戦時下の困難な時期に市政運営を担ったことになります。

人となりを示すエピソード

高山の人間性をうかがわせるエピソードとして、1944年（昭和19年）に会津松平家当主である松平保男氏が急逝した際の出来事があります。この時、高山は旧領（会津）を代表する立場で葬儀に参列するため上京しました。当時の日本は戦況の悪化に伴い、交通事情が極めて悪く、また物資も不足していました。そのような困難な状況にもかかわらず、会津地方からは多数の人々が供物などを持参して葬儀に参列しました。

高山は後日、松平保男氏の養女であり、秩父宮雍仁親王妃となられた勢津子様の嫁ぎ先である秩父宮家の事務官から話を聞く機会を得ました。事務官によると、昭和天皇が、物資不足や交通の不便さがある中で、これほど多くの会津の人々が供物を持参して参列したことに深く感じ入り、謝意を示されていたとのことでした。この話を聞いた高山は、郷里の人々の真心のこもった行いが天皇陛下にまで届いたことを知り、深く感銘を受け、感激したと伝えられています。このエピソードは、高山が単なる軍人や政治家としてだけでなく、会津の出身者としての誇りを持ち、郷里の人々の行動に心を動かされる情誼に厚い人物であったことを示唆しています。

栄典

高山輝義は、その功績に対して複数の栄典を授けられています。

位階:
1901年（明治34年）10月10日：正八位
1910年（明治43年）9月30日：従六位
勲章等:
* 1940年（昭和15年）8月15日：紀元二千六百年祝典記念章

高山輝義の没年は明らかになっていません。

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