高岡宗泰

高岡宗泰の生涯と業績

高岡宗泰（たかおか むねやす）は、鎌倉時代後期に活躍した武将であり、隠岐国守護代として広く知られています。彼は出雲高岡氏の始まりとされており、その歴史的意義は大きいものです。宗泰の生まれは建長7年（1255年）で、父は佐々木泰清、母は葛西清親の娘でした。これにより彼は名門の家系に生まれ、武士としての道を歩むことになります。

初期の経歴

弘長4年/文永元年（1264年）、宗泰は初めて出仕します。文永6年（1269年）には元服を迎え、宗泰と名乗るようになりました。この「宗」の字は、当時の執権であった北条時宗から贈られた一字と考えられています。彼の名が正式に記録に残るのは、この時期からです。

文永11年12月頃（1275年1月頃）には、異国警固番役として筑前国遠賀郡黒崎の防衛に従事し、これにより彼の武将としての地位がさらに確固たるものとなりました。

隠岐国守護代としての任務

建治2年9月5日（1276年10月13日）には、父・佐々木泰清が隠岐国守護として、隠岐国知夫郡美多荘の大山社における僧・慈蓮に下文を発しました。この文書は、慈蓮の先祖が保持していた大山社の禰宜および美多荘の神田の所有権を認め、再度返還するものでした。この出来事は、隠岐の支配権をより強化するためのものであり、宗泰の役割も重要でした。

この翌年の建治3年4月（1277年5月頃）には、宗泰は隠岐国守護代として派遣され、慈蓮が隠岐国の荘官でないという証明を伴った文書を発行しました。このような行動が隠岐の信仰の中心である大山社の運営をスムーズに行うための基盤を築くことになったと見られています。

高岡氏の始まり

弘安元年（1278年）頃、宗泰は父泰清から出雲国神門郡塩冶郷高岡邑を分与され、高岡氏を名乗るようになります。この名は、彼の家系とその地域のアイデンティティを象徴するものとなります。永仁5年6月3日（1297年6月23日）には、所領である高岡邑の一町を出雲鰐淵寺に寄進することで、宗泰の信仰心と地域貢献の姿勢がうかがえます。

晩年と宗泰の遺志

晩年は沙弥として過ごし、覚念と号しました。正中3年2月23日(1326年3月27日)、出雲鰐淵寺が炎上し、宗泰の父である佐々木泰清の菩提を弔うために建立された三重塔が消失しました。この出来事を受けて、宗泰は再建を発願し、その意志を残しました。

嘉暦元年7月15日（1326年8月13日）に宗泰は72歳で入寂し、家督は甥であり娘婿でもある宗義が継ぎました。彼の業績は、鎌倉時代の武士たちに続く道を切り開くものであり、隠岐国の支配と高岡氏の誕生を象徴する重要な歴史的影響を持ち続けています。

参考文献

• - 『尊卑分脈』洞院公定編
• - 『群書類従』塙保己一編
• - 『鰐淵寺文書の研究』曽根研三著
• - 『隠岐国守護職考』井上寛司著
• - 『中世隠岐の公文』井上寛司著
• - 『島根県歴史人物事典』山陰中央新報社
• - 『出雲鰐淵寺文書』鰐淵寺文書研究会編

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