高島鞆之助

高島鞆之助について

高島鞆之助（たかしま とものすけ）は、1844年に薩摩藩で生まれた武士であり、後に陸軍軍人、政治家として活躍しました。彼は高島喜兵衛の四男として生まれ、彼の諱は昭光です。高島は、陸軍中将、正二位、勲一等子爵という称号を持っており、政治的な業績も数多く残しています。特に彼は、陸軍大臣や拓殖務大臣、枢密顧問官などの重要な役職を歴任しました。さらに、現在の追手門学院小学校の前身である大阪偕行社附属小学校の設立者でもありました。

略歴

高島の教育は薩摩藩の藩校、造士館で受けました。彼は幕末の動乱期の中で成長し、明治元年（1868年）には戊辰戦争に官軍として従軍。その後、明治4年に侍従となり、明治5年には侍従番長に昇進します。明治7年には陸軍に転籍し、その後陸軍大佐に就任しました。さらに、彼は多くの重要な戦争や内戦を経験し、明治10年から西南戦争では別働第1旅団の司令長官を務めました。

彼の将来のキャリアにおいて、彼はドイツとフランスに出張し、さらに熊本鎮台司令官、大阪鎮台司令官を歴任します。最終的には、第1次松方内閣の陸軍大臣や台湾副総督、そして第2次伊藤内閣の拓殖務大臣に任命されるなど、彼の影響力は広まりました。

中華民国への出征

高島は、1895年の乙末戦争にも出征し、その後は台湾の副総督としても深く関与しました。このように彼は日本の拡張政策に寄与しつつ、国内外での影響力を拡大していきました。

私生活と人間関係

高島は人間関係にも多くのエピソードを持つ興味深い人物でした。上原勇作との親交が深く、彼が病気の際には見舞いを行ったものの、結果的におせっかいが元で体調を悪化させてしまうという微笑ましい話があります。また、彼は西郷隆盛の側近としても知られ、西郷の子飼いの部下たちと親密な関係を築いていました。

教育や社会貢献にも力を入れ、私学校の残党との抗争を経て教育の重要性を認識し、大阪偕行社附属小学校の設立に至ったのです。

借金と晩年

晩年には、借金に悩んだという伝記もあり、特に愛人との関係や刀剣の収集に散財したとされています。彼の人生は多くの浮き沈みを伴いましたが、成功と苦悩の両方を経験した稀有な人でした。1916年、彼は脳溢血により72歳でこの世を去りました。

栄典と家族

彼の生涯を通じて数々の栄典を受けており、位階では従三位から始まり、正二位に至ります。また、勲章も数多く受章し、大礼記念章や旭日桐花大綬章などが彼の名に連なります。家族面では、高島の妻である春子との間には子供が多く、彼の血筋はその後も続いています。

高島鞆之助の生涯は、幕末から明治、大正にかけての波乱の時代に生きた一人の武士から、国家の政策に深く関わる立場へと成長した日本の歴史における重要な人物の一例です。その活動は、今日においても教育と社会の発展に影響を与えています。

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