高嶋菊次郎

高嶋菊次郎

高嶋菊次郎（1875年5月17日 - 1969年1月29日）は、明治、大正、昭和の実業家。

経歴

福岡県に生まれた高嶋菊次郎は、1900年に東京高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、大阪商船に入社しました。その後、三井物産に転じ、ここで藤原銀次郎の知遇を得て、1912年に王子製紙に入社しました。

王子製紙では、苫小牧工場長を経て、1914年に取締役に就任。常務、専務、副社長と昇進を重ね、1938年12月には藤原銀次郎の後任として取締役社長に就任しました。1942年12月まで社長を務め、その手腕を発揮しました。また、王子製紙の傍系会社である日本パルプ工業の取締役社長も1939年5月から1943年1月まで兼務しました。

高嶋菊次郎は、企業経営者としてだけでなく、教育分野にも貢献しました。1940年には法政大学の理事に就任し、大学事業の運営に尽力しました。

1943年には中支那振興の総裁に就任しましたが、戦後、公職追放となりました。

50歳を過ぎた頃から漢学を深く学び、中国書画の収集に情熱を注ぎました。神奈川県藤沢市鵠沼松が岡の自宅を「槐安居」と名付け、そこでコレクションを整理・鑑賞しました。1965年には、長年かけて収集した278点のコレクションを東京国立博物館に寄贈。「槐安居コレクション」として現在も公開されています。このコレクションは、高嶋菊次郎の審美眼と中国文化への深い造詣を示すものとして、高く評価されています。

高嶋菊次郎は、日本の経済界、教育界、そして文化芸術の分野に大きな足跡を残した人物として、その名が記憶されています。

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