高木博志

高木博志氏は、1959年生まれの日本の歴史学者であり、京都大学人文科学研究所の教授を務めています。彼の専門は日本近代史であり、特に近代天皇制における文化的要素の歴史的研究で知られています。

高木氏の研究の中心的なテーマは、近代天皇制を支えるために、いかに文化的要素が意識的に再構築され、創り上げられてきたのかを検証することです。具体的には、即位や大嘗祭といった皇室儀礼、文化財や博物館、そして古都としての京都や奈良のイメージなどが、国民国家の形成においてどのような役割を果たしたのかを分析しています。

高木氏は、立命館大学文学部日本史学専攻を卒業後、同大学大学院文学研究科博士課程後期を単位取得退学しました。その後、北海道大学文学部助教授を経て、1998年に京都大学人文科学研究所助教授に就任しました。2007年には同准教授、2012年には教授に昇任し、2017年から2019年3月31日まで同研究所の所長を務めました。

高木氏の著作は、近代天皇制と文化の関係を深く掘り下げたものが多く、以下のものが挙げられます。

『近代天皇制の文化史的研究　天皇就任儀礼・年中行事・文化財』（校倉書房、1997年）
『近代天皇制と古都』（岩波書店、2006年）
『陵墓と文化財の近代』（山川出版社、2010年）
『近代天皇制と伝統文化』（岩波書店、2024年）

これらの著作を通じて、高木氏は近代天皇制が単なる政治制度ではなく、文化的な構築物であることを明らかにしています。また、古都や文化財といった要素が、近代天皇制の権威を高め、国民統合を促進するためにどのように利用されたのかを詳細に分析しています。

高木氏の研究は、日本近代史研究において重要な貢献を果たしており、天皇制や文化、ナショナリズムに関心を持つ研究者や学生にとって必読の文献となっています。共著、編著も多数あります。

『京都の歴史を歩く』岩波書店、2016年1月。（共著）
『近代日本の歴史都市：古都と城下町』思文閣出版、2016年1月。（編著）
『近代天皇制と社会』思文閣出版、2018年10月。（編著）
『近代京都と文化：「伝統」の再構築』、2023年8月。（編著）
『文化財と近代日本』山川出版社、2002年12月。（共編著）
『みやこの近代』思文閣出版、2008年3月。（共編著）
『近代京都研究』思文閣出版、2008年8月。（共編著）
『文人世界の光芒と古都奈良　大和の生き字引・水木要太郎』思文閣出版、2009年10月。（共編著）
『歴史のなかの天皇陵』思文閣出版、2010年10月。（共編著）
『世界遺産と天皇陵古墳を問う』思文閣出版、2017年1月。（共編著）
『博物館と文化財の危機』人文書院、2020年2月。（共編著）
Kyoto's Renaissance: Ancient Capital for Modern Japan　 Renaissance Book、2020年。（共編著）

外部リンク：
京都大學人文科学研究所 研究者・活動について 個人研究紹介【高木 博志】
research map - 高木博志 タカギ ヒロシ (Hiroshi Takagi)
* 科学研究費助成事業データベース KAKEN 高木 博志

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