高松市の町・字

高松市の町・字

香川県高松市において、行政地名として定められている町丁および大字について解説します。高松市の町・字は、市制施行以降、市の規模拡大や都市機能の整備に伴い、複雑な変遷を遂げてきました。2006年（平成18年）1月10日時点では、182の町が存在しています。

歴史的変遷

高松市の町は、1890年（明治23年）2月15日の市制施行時に、旧城下町の区域において、江戸時代からの町割りを引き継ぐ形で59の町丁が設定されたことに始まります。その後、明治から昭和初期にかけて、周辺村の一部編入や旧城下町外区域への町名付与、あるいは小規模な町の追加や廃止が行われ、町数は漸増します。例えば、1914年（大正3年）には66町、1930年（昭和5年）には81町となりました。

市域が大きく拡大したのは、戦前・戦後の合併期です。1940年（昭和15年）2月11日には、屋島町を含む5町村を編入し、26町が加わり町数は107に。さらに、1956年（昭和31年）9月30日には、三谷村や香西町など15町村を大規模に編入したことで、42町が増加し、町数は149に及びました。この後、鬼無町内の再編などを経て、同年中に154町となっています。1966年（昭和41年）には山田町を編入し、11町が加わっています。

昭和30年代以降、特に中心部では戦災復興土地区画整理事業や住居表示の実施に伴い、大規模な町名の改廃が行われました。1958年（昭和33年）には常磐町、瓦町などの新設と旧来の町名の廃止が多数行われ、町数は160となりましたが、その後の整理により一時的に減少した時期もありました（1964年152町、1968年149町など）。

昭和後期から平成にかけては、比較的変動は少ないものの、中央町（1969年）、紫雲町（1971年）、城東町（1972年）、朝日新町（1975年）、新北町（1976年）、茜町、西町（1985年）といった新たな町の設置も行われました。

2000年代に入り、再び周辺町村との合併が進み、町数が増加します。2003年（平成15年）4月1日にはサンポートが新設され155町に。2005年（平成17年）9月26日には塩江町を編入し159町となりました。そして、2006年（平成18年）1月10日には、牟礼町、庵治町、香川町、香南町、国分寺町の5町村を編入したことにより、23町が加わり、現在の形に近い182町体制が確立されました。

地域区分

高松市の町・字は、行政運営上の便宜から大きく二つの区域に分けられます。

中心部（本庁地区）: 市役所の本庁が直接管轄する地域です。市制施行時の旧城下町を核としつつ、旧市内よりやや広範なエリアを含みます。特にこの区域では、戦災復興事業や住居表示の実施により、町名の改廃が頻繁に行われてきました。
郊外部: 中心部以外の地域で、市役所の各支所または出張所が管轄しています。これらの地域では住居表示制度は導入されていません。多くは昭和・平成の大合併で編入された旧町村の区域に相当します。

廃止された町丁

高松市の歴史の中では、多くの町丁が姿を消しました。特に、第二次世界大戦終結後の中心部において、戦災復興土地区画整理事業や住居表示制度の実施に伴い、1958年から1970年にかけて多数の町名が廃止・再編されています。終戦時点には多くの町名が存在していましたが、これらの事業を通じてその構成は大きく変化しました。郊外部でも一部で町名の変更や廃止が見られます。

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