高橋健二 (音楽家)

高橋 健二（たかはし けんじ）

日本の音楽家、ベーシスト。本名は高橋 隆（たかはし たかし）。1938年7月9日に生まれ、2021年7月13日に永眠した。

経歴と人物

東京都の出身。東京都立王子工業高等学校を卒業している。幼い頃から音楽に親しんでおり、特に中学生の頃にはトランペットを演奏するなど、楽器への興味を深めていた。高校を卒業した後は、同級生たちと共にウエスタンバンドを結成し、音楽活動を続けていた。

1962年、高橋は「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」に加入する機会を得る。当時、ブルー・コメッツのエレクトリックベース奏者であった大橋道二が、自身の設立した大橋プロダクションの経営に専念するためグループを離れることになり、その後任としてスカウトされたのが彼だった。ブルー・コメッツでの活動を開始するにあたり、彼のために特別なベースギターである「ファーストマン」が製作されたという逸話も残る。彼のベース演奏は、ダウンストローク・ピッキングのみを用いるという独特のスタイルで知られた。

1963年には、家業の都合により一時的にグループを離れることになったが、1965年5月には復帰を果たし、再びブルー・コメッツのメンバーとして音楽活動に専念した。

ブルー・コメッツ在籍中には、ベーシストとしてだけでなく、作曲家としても才能を発揮した。作詞家・橋本淳とのコンビで、グループの楽曲を手がけている。代表作としては、LP『オリジナルヒット第2集』に収められた「別れの指環」、ヒットシングル「さよならのあとで」のB面曲である「小さな秘密」、「虹と雪のバラード」のB面に収録された「愛の子守歌」などが挙げられる。これらの楽曲は、グループのサウンドに貢献し、その音楽性を豊かにした。

1971年にブルー・コメッツが実質的に解散した後、高橋は一時的に音楽活動から距離を置いていた時期があった。しかし、2000年に元メンバーの井上忠夫氏が逝去したことを契機に、グループサウンズ時代のメンバーが集まり、2002年にブルー・コメッツが再結成される運びとなった。高橋もこの再結成に参加し、再び多くのファンにその演奏を披露した。

音楽活動以外では、釣りを趣味としており、その腕前は大会で優勝するほどだったという。

2021年7月13日、高橋健二氏は病気のため、東京都内の病院で死去した。享年83。彼の残した音楽は、日本のグループサウンズ史において重要な足跡として記憶されている。

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