高橋庸弥

高橋庸弥の生涯

高橋庸弥は、1901年（明治34年）5月10日に長野県諏訪郡玉川村（現在の茅野市）で生まれました。旧制諏訪中学（現在の長野県諏訪清陵高等学校・附属中学校）を経て、第八高等学校を卒業。1925年11月には高等試験行政科試験に合格し、翌1926年に東京帝国大学法学部法律学科（英法）を卒業しました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、高橋は内務省に入省し、大分県属としてキャリアをスタートさせました。その後、警視庁特別高等警察部第一課長、石川県書記官・警察部長、内務省警保局警務課長、企画院書記官など、要職を歴任しました。特に、大阪府警察局長を務めた時期は、警察行政における重要な役割を担いました。

鳥取県知事と労働組合法

1945年4月、高橋は鳥取県知事に就任しました。しかし、その年の10月には厚生省労政局長に転じ、労働組合法の原案作成に深く関わりました。この法律は、戦後の労働運動の基礎となる重要なものであり、高橋の行政手腕が発揮されたと言えるでしょう。

公職追放とその後

1946年、高橋は公職追放となり、官僚としてのキャリアを終えました。その後は、民間企業で活躍し、結核予防会常務理事、増沢工業 (株)専務取締役、日本ビーシージー製造 (株) 社長などを歴任しました。これらの役職を通じて、社会貢献を続けました。

著作

高橋は、官僚時代に培った知識と経験を基に、『労働組合法の解説』（日本産業経済新聞社、1946年）を著しました。この著書は、当時の労働法制に対する理解を深める上で重要な文献となっています。

まとめ

高橋庸弥は、内務官僚として、また実業家として、多岐にわたる分野で活躍した人物です。彼の生涯は、明治から昭和にかけての激動の時代を映し出しており、その足跡は、今日の社会にも影響を与え続けています。1970年（昭和45年）2月7日に、その生涯を閉じました。

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