高橋明 (医学者)

高橋 明（たかはし あきら）の生涯と業績

高橋明は1884年11月5日、愛知県渥美郡泉村（現在の田原市）に生まれました。彼は日本の医学界に大きな足跡を残した業績を持つ医学者であり、特に泌尿器科学の分野で著名です。彼の教育背景は、旧制第一高等学校から始まり、京都帝國大学福岡医科大学（現・九州大学医学部）へ進学し、1909年に卒業しました。卒業後は東京帝国大学（現・東京大学）大学院に入学し、ここで皮膚病学の専門家である土肥慶蔵教授の指導を受けました。

高橋は1913年に大学院を退学し、ドイツのベルリン大学へ留学。ここで泌尿器疾患に関する研究を行い、さらにイギリスのロンドンに渡ってセント・ピーター・ホスピタルを訪問し、泌尿器科の実態を学びました。1915年に日本へ帰国した彼は、1916年に新潟医学専門学校（現在の新潟大学医学部）の教授に任命され、以降は教育や研究に専念することになります。

1917年には医学博士の学位を取得し、1922年には新潟医科大学教授となりました。その後、1927年に東京帝国大学の教授に就任し、泌尿器のX線診断、尿路結石、膀胱腫瘍に関する重要な研究を行いました。彼は1929年から1942年までの間に日本泌尿器科学会の会長を9回務め、その影響力は計り知れないものでした。

1946年には東京逓信病院の院長に就任し、1962年までその職にありました。また、1948年には東京大学を退官し、名誉教授の位を受けました。同年、日本医師会の会長にも就任し、医療界の発展に寄与しました。さらに、1957年からの10年間は学校法人獨協学園の理事長を務め、教育と研究の両面での支援を行いました。

彼の業績は日本の医学界において非常に高く評価されており、1965年には正三位、1970年には勲三等を授与されました。高橋明は1972年3月12日に心不全によって亡くなるまで、多大な貢献を果たしてきました。彼の歩みは、医学研究と教育における情熱と献身の象徴であり、多くの後進の医師たちに影響を与え続けています。

参考文献

• - 高安久雄『高橋明先生の御逝去を悼む』 日本泌尿器科學會雑誌、Vol.63（8）、P.585-587、1972年

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