高橋明也

高橋 明也について

高橋 明也（たかはし あきや）は、1953年に生まれた日本の著名な美術史家です。彼は東京都美術館の館長を務め、日本の美術界において重要な人物として知られています。東京都出身で、東京都立富士高等学校を卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科で専門的な学びを深めました。

彼の主な研究分野は、ドラクロワやマネを中心とする19世紀のフランス美術史です。彼は1980年から2006年まで国立西洋美術館の研究員として多くの知見を積んできました。特に1984年から1986年にかけては文部省の在外研究員としてパリに滞在し、オルセー美術館の開館準備に関わる機会を得ています。彼はその後も国立西洋美術館の主任研究官や学芸課長として役割を果たし、2006年から2021年には三菱一号館美術館の初代館長も務めました。

三菱一号館美術館では、特にアンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレックに関連するポスターやリトグラフをコレクションの中心に据えることで、美術館の発展にも寄与しています。この美術館は2010年に開館し、その開館記念展として「マネとモダン・パリ」を開催しました。高橋氏はその功績を認められ、2010年にはフランス芸術文化勲章のシュヴァリエを受章しました。

プライベート

高橋はフランス文学者であり、早稲田大学の教育学部の元教授でもある父、高橋彦明に育てられ、小学生時代には家族と共にパリに滞在していた経験があります。また、画家・詩人である妻は大岡亜紀であり、彼の親族には詩人・評論家の大岡信や劇作家の深瀬サキ、作家の大岡玲がいます。

企画展覧会

高橋氏が手がけた主な企画展覧会には、以下のようなものがあります：

• - モーリス・ドニ（1981年）
• - ミレーの「晩鐘」と19世紀フランス名画展（1982年）
• - ジャポニスム展（1988年）
• - ドラクロワとフランス・ロマン主義（1989年）
• - 1874年―パリでの第一回印象派展とその時代（1994年）
• - ドラクロワ版画展（2004年）
• - ジョルジュ・ド・ラ・トゥール―光と闇の世界（2005年）
• - モネと画家たちの旅（2007-08年）

これらの展覧会は、高橋氏の専門知識をもとに、19世紀のフランス美術の魅力を伝えるものであり、多くの観客を惹きつけました。彼の展示企画は視覚的な刺激だけではなく、学術的な深さも兼ね備えています。

著作

高橋の著書には、フランス美術に関する数々の重要な内容が含まれています。彼の代表的な著作には以下があります：

• - 『マネ　＜世界の名画9＞』(1984年)
• - 『ドラクロワ 色彩の饗宴』(1999年)
• - 『ゴーガン―野性の幻影を追い求めた画家の魂』(2001年)
• - 『コロー 名画に隠れた謎を解く！』(2008年)
• - 『美術館の舞台裏 魅せる展覧会を作るには』(2015年)

彼はまた翻訳や監修にも積極的に関わり、さまざまな出版物を通じてフランス美術の普及と教育に尽力しています。高橋明也の業績は、日本とフランスの美術交流を豊かにし、多くの人々に影響を与えています。

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