高田博久

高田 博久

1961年7月16日、千葉県市原市に生まれた高田博久は、アンダースローの技巧派投手として知られる元プロ野球選手です。高校、大学、社会人というアマチュア野球の各段階で実績を積み、プロの世界へと足を踏み入れました。

アマチュア時代

千葉商業高校では、2年秋の県大会決勝でライバル校を相手に完封勝利を収め、チームを優勝に導きました。しかし、その後の関東大会では初戦で敗退。3年生の夏には、県大会準々決勝で延長16回という激戦を繰り広げましたが、惜しくもサヨナラ本塁打を浴びて敗れ、甲子園出場の夢は叶いませんでした。

高校卒業後は青山学院大学に進学。東都大学野球リーグの二部でプレーすることになりました。在学中にチームは二部に降格しましたが、高田投手自身は力をつけ、1983年秋季リーグでは二部優勝の原動力となり、最優秀選手と最優秀投手の二冠に輝く活躍を見せました。

大学卒業後は社会人野球の強豪、日本楽器（現・ヤマハ）に入団します。ここでもエースとしてチームを牽引し、1984年の都市対抗野球では準決勝まで駒を進めました。また、1985年には第13回アジア野球選手権大会の日本代表に選出されるなど、国際舞台も経験。同年の日本選手権では決勝まで勝ち上がりますが、惜しくも敗れて準優勝となり、この大会では敢闘賞を受賞しました。

プロ野球時代

アマチュア球界で実績を残した高田投手は、1985年オフにドラフト外でプロ入りを果たします。この際、読売ジャイアンツからも誘いがあったものの、これを断って日本ハムファイターズへの入団を決めたことは、当時大きな話題となりました。

日本ハムに入団した高田投手は、アンダースローからシュート、スライダー、カーブを巧みに操る投球スタイルで、「山田久志二世」と称されるなど、将来を嘱望されました。1年目の1986年にはオープン戦で好投を見せ、新人ながら開幕一軍の座を掴み取ります。

しかし、プロの洗礼は想像以上に厳しいものでした。プロ初登板となった試合では、アウトを一つも取れないまま大量失点を喫してしまいます。これを境に、高田投手の投球には精彩が欠け、プロの世界での壁に苦しむ日々が続きました。日本ハムでは目立った成績を残すことができず、1990年オフに自由契約となります。

現役続行を希望した高田投手は、横浜大洋ホエールズの入団テストを受け、合格。心機一転、新天地での再起を図ります。

横浜大洋での3年目、プロ入りから7年目のシーズンとなった1992年、高田投手は大きな飛躍を遂げます。この年、二軍（イースタンリーグ）で驚異的な成績を残しました。10勝2敗4セーブ（13セーブポイント）、防御率1.12という圧巻の投球内容で、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、そして最優秀救援投手の四冠を独占。まさに二軍では手がつけられない活躍でした。

この二軍での実績が評価され、同年7月5日には一軍のマウンドに上がります。中日ドラゴンズ戦に救援登板し、プロ入り後、長く待ち望んでいた一軍での初勝利を挙げました。試合後のヒーローインタビューで感極まり、涙を流したその姿は「涙の1勝」として多くのプロ野球ファンの感動を呼びました。

1992年シーズン終盤、横浜大洋ホエールズとして迎える最後の試合となった10月7日の読売ジャイアンツ戦では、高田投手がチーム最後の投手としてマウンドに登るという巡り合わせもありました。球団が横浜ベイスターズとなった翌1993年は一軍での登板機会がなく、この年限りで現役を引退することを決意しました。

引退後

プロ野球選手としてのキャリアに区切りをつけた後、高田博久氏は一般企業に就職し、会社員として新たな道を歩み始めました。

記録とタイトル

プロ野球における主な記録

• - 初登板：1986年4月9日 対西武ライオンズ戦（後楽園球場）
• - 初奪三振：1986年4月29日 対近鉄バファローズ戦（後楽園球場）
• - 初先発：1986年8月13日 対近鉄バファローズ戦（藤井寺球場）
• - 初勝利：1992年7月5日 対中日ドラゴンズ戦（宮城球場）

タイトル

• - イースタンリーグ最多勝（1992年）
• - イースタンリーグ最優秀防御率（1992年）
• - イースタンリーグ最高勝率（1992年）
• - イースタンリーグ最優秀救援投手（1992年）

背番号

• - 16 （日本ハム：1986年 - 1990年）
• - 47 （横浜大洋/横浜：1991年 - 1993年）

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