高田熊野神社 (茅ヶ崎市)

神奈川県茅ヶ崎市高田の熊野神社：歴史と由緒ある社

熊野神社は、神奈川県茅ヶ崎市高田に鎮座する由緒ある神社です。大岡越前守忠相にゆかりのあるこの神社は、その歴史的背景や、地域住民との深い繋がりから、古くから大切にされてきました。

創建と歴史

熊野神社の創建は、万治元年（1658年）にまで遡ります。当時の相模国高座郡高田村の地頭であった大岡美濃守忠高（大岡越前守忠相の実父）が、紀伊国牟婁郡の熊野本宮大社から神霊を勧請し、この地に熊野神社を創建したと伝えられています。大岡家は江戸時代において、重要な役割を担った名家であり、その一族ゆかりの神社であることは、熊野神社の歴史的価値を高めています。

現在の社殿は、昭和2年（1927年）に再建されたものです。長い歴史の中で幾多の変遷を経ながらも、人々の信仰を集め、地域社会の中心として存在し続けてきました。社殿の建築様式や、境内にある樹木など、歴史を感じさせる要素も多く残されており、訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。

境内社：日枝神社

熊野神社の境内には、日枝神社が鎮座しています。日枝神社は、享保5年（1720年）に、大岡氏が近江国滋賀郡坂本の日吉大社から勧請したものです。かつては山王山と呼ばれる丘陵地にあったものが、後に熊野神社の境内に遷されたと伝えられています。熊野神社と日枝神社の両社が、同じ境内に鎮座していることは、この地の歴史と信仰の深さを象徴しています。

祭神と祭事

熊野神社の祭神は、熊野大神、櫛御気野命、天神七座地神五座です。また、境内社である日枝神社の祭神は大山咋命です。これらの神々を祀り、地域住民は古くから様々な祭事を執り行ってきました。

主な祭事としては、歳旦祭（年賀祭）、浜降祭、例祭などがあります。歳旦祭は新年1月1日に行われ、新しい年の始まりを祝います。浜降祭は7月14日に行われ、海の神を祀る神事です。例祭は9月の第2日曜日に行われ、一年間の感謝を捧げるとともに、五穀豊穣や地域安全を祈願する重要な行事です。これらの祭事は、地域住民の生活に深く根付いており、世代を超えて受け継がれています。

アクセス

JR東日本茅ケ崎駅北口から、文教大学行きバスに乗り、「高田」バス停下車後、徒歩3分です。公共交通機関を利用して容易にアクセスできる立地も、多くの人々が訪れる理由の一つでしょう。

関連文献

* 「大庭庄 高田村 熊野社」『大日本地誌大系』 第38巻新編相模国風土記稿3巻之61村里部高座郡巻之3、雄山閣、1932年8月。NDLJP:1179219/150

まとめ

熊野神社は、歴史と伝統、そして地域住民の信仰が深く結びついた神社です。大岡氏ゆかりの神社としての歴史的価値に加え、静寂な境内と、地域に根付いた祭事を通して、訪れる人々に安らぎと感動を与え続けています。茅ヶ崎を訪れた際には、ぜひ熊野神社に足を運んで、その歴史と雰囲気を感じてみてください。

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