高知坐神社

高知坐神社について

高知坐神社（たかちにますじんじゃ）は、高知県宿毛市平田町戸内に位置する神社で、古くから地域の人々に信仰されています。この神社は、式内社としても知られ、旧社格は郷社に分類されています。神社自体には、数世代にわたり付けられたさまざまな伝承や歴史があります。

祭神

この神社の祭神は、主祭神の都味歯八重事代主神を中心に、大国主尊と素盞嗚尊の二柱が祀られています。927年に成立した『延喜式』神名帳には「高知坐神社」に関する記載があり、そこで祭神についての詳細は示されていませんでした。この「高知」は今の高知市とは異なる古代名とされ、文献によっては「高地」や「高持」とも表現されています。

また、主祭神の神体は青黒玉石、右相殿の神体は木像、左相殿の神体は青石とされている記録も存在します。

歴史

高知坐神社の創建については詳細が不明ですが、近隣にある平田曽我山古墳の存在が注目されています。この古墳は高知県内で著名な古墳であり、同神社と関連づけられることがよくあります。伝承によれば、崇神天皇の時代に波多国造が定められたことと関連があるとされ、その時期に創建された可能性が示唆されています。

また、境内からは平安時代や縄文時代の遺物が発掘されており、これらは神社の長い歴史を物語っています。927年の『延喜式』でも、土佐国幡多郡の社名として「高知坐神社」が記されていることが確認されています。

中世期には社殿の修理が行われ、長福寺が別当寺に指定されるなど、神社は重要な役割を果たしていました。1399年や1544年の記録にも、神社に関する情報が残されています。特に一条氏による再建は、この神社の重要性を示しています。

江戸時代には土佐藩家老の山内氏により大切にされ、明和5年（1768年）には現在の本殿が再建されています。この本殿は歴史的な価値があり、高知県の指定文化財に指定されています。

境内の特徴

高知坐神社の本殿は、江戸時代に建てられたもので、特にその美しい建築様式が目を引きます。三間社流造で、屋根は杮葺きです。内部は内陣と外陣に分かれており、特定の彫刻が残されています。主な樹木には、400年の樹齢を誇るイチイガシがあり、宿毛市の天然記念物としても指定されている重要な存在です。

摂末社

高知坐神社にはいくつかの摂末社が存在します。左宮には聖神社や皇太子宮、曽我神社、天満宮が鎮座しており、右宮には柴折神社、仁井田神社、大船神社、飛龍神社、鷣高神社が位置しています。これらの神社は地域の信仰の広がりを示しており、それぞれの神社には独自の祭事があります。

文化財

この神社には、いくつかの指定文化財があります。江戸時代の本殿が高知県の有形文化財に指定されており、その重要性が認識されています。また、鎌倉時代作の獅子半身像や神社に隣接するイチイガシも文化財として評価されています。

高知坐神社は、古代から続く伝承や祭りが息づく神社として、地域の文化や歴史に深く根ざしています。訪れる人々にとっては、歴史と自然が融合した神秘的な空間を体験することができる場所と言えるでしょう。

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