高見三郎

高見三郎の生涯と業績

高見三郎（たかみ さぶろう、1904年1月8日 – 1978年2月28日）は、昭和時代を代表する政治家であり、特に文部大臣としての活動が知られています。山口県美祢郡で農家の次男として生まれた彼は、高等小学校を卒業後、炭焼きをしながら独学で教員免許を取得しました。その矢先に会得した教員免許によって、小学校で代用教員としての業務をスタートさせます。

軍隊生活を経て、彼は1928年に大阪府天王寺師範学校の第二部を卒業し、翌年には関西大学専門部の法科を卒業後、大阪府庁学務部で勤務を始めました。この時期に高等文官試験の行政科に合格し、1930年には法律科にも合格。1938年には内務省に入省し、秋田県社会部長や警視庁警視、和歌山県警察部長、奈良県経済部長を経て静岡県経済部長に就任しますが、県知事候補として小林知事に左遷されることになります。

彼は、県総務部長の斎藤寿夫と親しい関係にあったためにこの左遷を受けたものの、斎藤の下で「八ツ当たり的運動」を展開し、知事選出馬を断念させることに成功しました。斎藤が当選後は、副知事としての道を歩み、同時に政治家としての活動に力を入れることになります。

1952年、吉田茂が率いる自由党公認で衆議院議員選挙に立候補し当選を果たします。その後、彼は保守合同後に宏池会に所属し、保守系政治家としての地位を確立。その間に文部政務次官や衆院農林水産、文教各委員長を歴任し、1971年には第3次佐藤内閣の改造内閣にて文部大臣としての役職に就任します。

文部大臣としての在任中、高見は日本教職員組合委員長とのトップ会談を再開させた他、中央教育審議会委員の大幅な刷新を断行しました。労働界からの人材登用や文化人の参加を促すことで、教育現場に新たな風を吹き込む施策を推進しました。また、私学との授業料における格差是正のために、国立大学の授業料を値上げする改革にも取り組みました。

彼はその風貌から、エリート官僚とは一線を画し、イガグリのような頭と何とも言えないしゃがれ声で独特の存在感を放ちながら、政治の世界で活動していました。その結果、彼は1975年に勲一等瑞宝章を受章することで、その業績が認められました。1976年には政界を引退し、1978年に74歳でこの世を去りました。

高見三郎は、その教育界における貢献に加え、政治家としての経験と人柄で多くの人々に記憶され続けています。彼が生きた時代とその影響は、今なお多くの人々に語り継がれているのです。

もう一度検索