高越寺

高越寺（こうつじ）について

高越寺は、徳島県吉野川市山川町の高越山に位置する歴史的な寺院です。本寺院は真言宗大覚寺派に属し、主な本尊は蔵王権現（高越大権現）、脇仏に千手観音が祀られています。また、地域の自然環境を保護するため、土柱高越県立自然公園に指定されています。

寺院の歴史

高越山は、俗に阿波富士とも称され、その山頂部に高越寺が建立されています。この地域には衣笠山、摩尼珠山といった別名も存在し、歴史的にも重要な場所です。高越寺は、東の大和国大峰山（現在の金峰山）に対して「西上山」と名乗り、阿波国における修験道の発祥地としても知られています。

江戸時代の寛文5年に住職の宥尊が記した「摩尼珠山高越寺私記」には、役小角によって創設された古刹としての伝承が記されていますが、その信憑性には疑問も残ります。鎌倉時代には既に高越山を中心とした信仰圏が形成され、良蔵院の「川田良蔵院文書」によると、修験道の信仰が強く根付いていたことが伺えます。

また、山川町の山崎にある忌部神社は、阿波忌部氏の守護神として年に2回の祭りを行っており、高越寺はこの神社の別当としても重要な役割を果たしています。これにより、忌部修験道という独特の文化的背景が生まれました。

文化財

高越寺には、重要文化財として指定されている絹本著色仏涅槃図があります。この貴重な作品は京都国立博物館に寄託されています。涅槃図は仏教の中でも特に重要な作品であり、仏の入滅を描いたものです。

交通アクセス

高越寺へのアクセスはJR徳島線の「阿波山川駅」で下車し、そこから車で約50分の距離に位置しています。また、徳島自動車道の「脇町インターチェンジ」からは車と徒歩を合わせて約70分かかります。訪れる際には、美しい自然に囲まれた高越寺で歴史と文化をじっくりと体感することができるでしょう。

参考文献

• - 『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4040013603）

関連項目

• - 忌部氏
• - 忌部首多夜須子

外部リンク

• - 吉野川市観光サイト 高越寺
• - 高越寺 - 阿波ナビ -

高越寺は、その独自の歴史と文化を持つ寺院として、訪れる人々に深い印象を与えています。

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