高那崎

高那崎（たかなざき）

波照間島の南東部に位置する高那崎は、八重山諸島の中でも特に美しい景観を誇る場所です。地元では「タカナザシ」とも呼ばれ、その名の通り、島の先端に突き出した岬となっています。

地理

高那崎周辺は、高さ十数メートルの琉球石灰岩でできた海食崖が約1キロメートルにわたり続いており、その壮大な景色は訪れる人々を魅了します。崖の上には幅約200メートルのカッレンフェルトが広がり、独特の地形を形成しています。さらに内陸側には芝生が生い茂る砂丘が広がっており、多様な自然環境を楽しむことができます。

高那崎一帯は、西表石垣国立公園の公園計画にも含まれており、高那崎園地として整備されています。そのため、この岬周辺は一般的に高那崎と呼ばれ、波照間島を訪れる観光客にとって外せないスポットとなっています。

波照間島は、一般の人が訪れることができる日本最南端の島として知られています。ただし、実際の最南端は高那崎から西南西に約1.5km離れた地点に存在し、国土地理院の地図にも名称は記載されていません。しかし、高那崎周辺には日本最南端を示す石碑やモニュメントが数多く建立されており、観光客が訪れる場所として親しまれています。

歴史

1972年3月には、砂丘地帯に波照間飛行場が建設され、石垣島との間で航空路が開設されました。しかし、翌年にはオーバーラン事故が発生し、路線は廃止。その後、1976年に別の場所に波照間空港が新たに建設されました。この歴史からも、高那崎周辺が島にとって重要な場所であったことがわかります。

主な石碑・モニュメント

高那崎には、日本最南端を記念する様々な石碑やモニュメントが建てられており、その歴史と意味を知ることで、この場所の魅力をより深く理解することができます。

日本最南端之碑

1970年、沖縄返還前の時代に、北海道から日本縦断の旅を終えた学生が、アルバイトで貯めた資金を投じて建てたコンクリート製の記念碑です。碑の上部には三角形の銘標が固定されており、両面に「日本最南端之碑」と刻まれています。この碑は、高那崎を訪れる多くの人々に愛され、記念撮影スポットとしても人気です。

日本最南端平和の碑

1995年、終戦50周年を記念して竹富町が建立した碑です。同年の8月15日に除幕式が行われました。碑の周辺には、屋外ステージを備えた多目的交流広場や、波照間島星空観測タワーが整備され、観光客だけでなく地元住民の憩いの場としても利用されています。

波照間之碑

1972年、沖縄返還を記念して複数の団体によって建てられた石碑です。この碑へと続く歩道には、日本の47都道府県から集められた石が使われ、2匹の大蛇が交差するデザインとなっています。この碑は、象設計集団によってデザインされたもので、その芸術性も高く評価されています。

聖寿奉祝の碑

日章旗のレリーフがはめ込まれた碑で、波照間之碑の建立後に神道青年全国協議会によって建てられました。1977年には国旗掲揚塔が建てられましたが、老朽化のため、1985年に昭和天皇在位60年を記念して「聖寿奉祝の碑」が建立されました。日本最南端之碑と隣り合って建てられていますが、直接的な関連はありません。しかし、2018年には、日章旗の赤い日章の部分に傷がつけられているのが発見され、物議を醸しました。

高那崎は、その美しい自然と歴史的な背景から、波照間島を訪れる人々にとって特別な場所となっています。これらの石碑やモニュメントは、島の歴史を物語るだけでなく、訪れる人々に平和への祈りを捧げる場所としての役割も担っています。

もう一度検索