高野二郎

高野二郎：ジャンルを超越するテノール歌手

高野二郎（たかの じろう、1969年4月22日 - ）は、その卓越した歌唱力と幅広い音楽性で知られる、日本のテノール歌手です。彼はクラシック音楽の世界にとどまらず、ミュージカル、さらには特撮ヒーロー作品の主題歌を歌うなど、ジャンルを超えた活動を展開しており、「平成の子門真人」とも称されています。

プロフィールと音楽活動

東京藝術大学を卒業、同大学院を修了後、モーツァルテウム音楽大学マスタークラスでディプロマを取得。国内外の主要オーケストラとの共演や、新国立劇場、二期会などの主催公演への出演を通じて、オペラ歌手としての地位を確立しました。

多彩な才能

高野二郎の活動は、オペラの世界に留まりません。男性ヴォーカル・グループ「The JADE」（ザ・ジェイド）のメンバーとしても活動する傍ら、ミュージカルにも出演。東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」では、司教・レーグル役を演じました。また、特撮ヒーロー作品の主題歌を数多く担当し、子供から大人まで幅広い世代にその歌声を届けています。

教育活動

演奏活動に加え、後進の育成にも力を注いでおり、洗足学園音楽大学ミュージカルコース、昭和音楽大学ミュージカルコース、桐朋学園芸術短期大学で講師を務めています。また、二期会会員、日本演奏連盟会員、東京オペラプロデュースメンバー、品川音楽文化協会外部評議員としても活動しています。

主なオペラ出演歴

2002年から2021年にかけて、数多くのオペラに出演しています。以下はその一部です。

2002年：魔笛（タミーノ役）、無口な女（ヘンリー役）、賢い女（ロバを連れた男役）、世界劇「眠り王」（竹取の翁役）、ナクソス島のアリアドネ（テノール歌手、バッカス役）、ねじの回転（コメンテーター、クイント役）
2003年：無人島（ジェルナンド役）、イタリアのモーツァルト（ミトリダーテ、ルーチョ・シッラ役）
2004年：世界劇「眠り王」再演（竹取の翁役）、カプリッチョ（フラマン役）、ドン・ジョバンニ（ドン・オッタービオ役）
2005年：ルル（画家・黒人役）、魔笛（タミーノ役）、ヴァンパイア（吸血鬼）（オーブリー役）、さまよえるオランダ人（舵手役）
2006年：ヘンデル「セルセ」（セルセ役）、ブルーアイランド版 フィガロの結婚（バジリオ役）、ヴェルディ オペラ「海賊」（セリモ役）
2007年：プッチーニ「西部の娘」（ハリー役）、ブルーアイランド版コジ・ファン・トゥッテ（フェランド役）、オッフェンバック「シュフルーリ氏のサロンコンサート」（ペーターマン役）、後宮からの逃走（ペドリッロ役）
2008年：喜歌劇「メリー・ウィドウ」（カスカーダ子爵役）、R.シュトラウス作曲 「薔薇の騎士」、ヤナーチェク「マクロプロス家の事」（ヤネク役）
2009年：第52回NHKニューイヤーオペラコンサート出演、ブルーアイランド版「魔笛」（タミーノ役）、ベルク「ヴォツェック」（アンドレス役）
2010年：高野二郎テノールリサイタル、R.シュトラウス「影のない女」（若い男役）、第1回品川区民芸術祭 テノール歌手高野二郎プロデュース「プルミエコンサート」
2011年：山形交響楽団 モーツァルトシンフォニーサイクル 第12回 オペラ『魔笛』（演奏会形式）、飯森＆山響　｢アマデウスへの旅｣　米沢公演、オペラ「フォルテュニオ」（フォルテュニオ役）、ブルーアイランド版「魔笛」（タミーノ役）、第2回品川区民芸術祭 テノール歌手高野二郎プロデュース「プルミエコンサート」
2012年：オペラ「修道院での結婚」（アントニオ役）、テノール高野二郎コンサート 鶴見サルビアホール、オペラ「さまよえるオランダ人」（舵手役）、ブルー・アイランド版「天国と地獄」（オルフェオ役）、高野二郎セプテンバーコンサート きゅりあん小ホール、二期会ゴールデンコンサート＠津田ホールＡnniversary60 『テノールの日』、第3回品川区民芸術祭 「プルミエコンサート」プロデュース
2013年：高野二郎リサイタル2013～この春の夜に～
2014年：オペラ「ミレイユ」（ヴァンサン役）、オペラ「死の都」（ヴィクトリン役）
2021年：東京二期会オペラ劇場「タンホイザー」（ヴァルター役）

その他の活動

テレビ番組やCMへの出演、アルバムの発売、映画やテレビドラマの主題歌担当など、多岐にわたる活動を展開しています。

TBS「体育王国」オープニングテーマ担当
東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」出演
ファーストアルバム「エッセンス」発売
映画『電人ザボーガー』主題歌担当
テレビアニメ『ドアマイガーD』主題歌担当
映画『母と暮せば』劇中歌独唱
* オリジナル・ポップスアルバム「Love Letter」発売

高野二郎は、その才能と努力によって、クラシック音楽の世界だけでなく、幅広い分野で活躍する、まさにクロスオーバーなアーティストと言えるでしょう。

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