高階仲行

高階仲行（たかしな の なかゆき）は、平安時代末期に活躍した廷臣です。大膳大夫である高階仲範の子として生まれました。官位は従五位上、蔵人を務めました。

経歴

早くから藤原忠実、頼長父子に近侍し、その才能を発揮しました。保延元年（1135年）には、頼長の前駆を務め、永治元年（1141年）には、高陽院藤原泰子（忠実の娘）の蔵人を務めました。久安4年（1148年）には頼長の家司となり、翌5年（1149年）にはその子である師長の家司となりました。このように、藤原氏の有力者の側近として、重要な役割を担っていたことがわかります。

保元元年（1156年）に保元の乱が勃発し、頼長が敗死するという事態に見舞われます。忠実も奈良の知足院に逼塞することとなりましたが、仲行はその後も引き続き忠実の傍近くに仕え続けました。この時期に仲行が筆録した『富家語』は、忠実の談話をまとめたもので、有職故実などを現代に伝える史料として非常に貴重なものとなっています。当時の宮廷社会や儀式、制度を知る上で欠かせない資料と言えるでしょう。

応保2年（1162年）に忠実が没した後、仲行は出家し、四天王寺の周辺に居住したと伝えられています。治承3年（1179年）に卒去。享年59歳でした。

系譜

父：高階仲範
母：不詳
妻：不詳
男子：高階仲基
* 男子：高階仲国

高階仲行は、激動の平安時代末期において、藤原氏に仕えながらも、文化的な貢献を果たした人物として、その名が残されています。特に『富家語』は、歴史研究において重要な史料として、高く評価されています。

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