高雄 (巡洋艦)

高雄（たかお）巡洋艦の詳細

高雄は、旧仮名が「たかを」である日本の海軍巡洋艦です。この艦名は京都府の高雄山に由来しており、運送船「高雄丸」に続く二代目となります。日本の海軍史において、高雄は主船局造船課によって計画され、日本国内で初めて建造された巡洋艦とされていることに大きな意義があります。艦種としては海防艦とする文献も存在していますが、広くは巡洋艦として認識されています。

船体の特徴

高雄の船体は鋼骨鉄皮で構成されており、同型艦である「愛宕」と類似の設計となっています。特徴的なのは、日本海軍の艦艇として初めて二重底を採用したことです。これにより、艦体の強度が増し、航行する際の安定性が向上しました。

進水時のデータによると、船の長さは70m、幅は10.5m、深さは3.7m、平均吃水は4.0mで、排水量は1,767英トンとされています。竣工時のデータでもほぼ同様で、若干の変動が見られるものの、船体の基本的な特性は一貫しています。

下記は主な要目の一覧です:

• - 長さ: 70m
• - 幅: 10.5m
• - 深さ: 約4.4m
• - 排水量: 1,978.3英トン

艤装と機関

艦橋は前後に設けられており、後艦橋が正艦橋の役割を果たします。艦には最大で6隻の端艇が搭載予定で、実際には運用に支障をきたすこともありました。

機関部について言えば、ボイラーは低圧缶を5基搭載し、蒸気圧力は70ポンド/平方インチを保持していました。主機は横置きの直接合2段2気筒レシプロであり、輸送効率を向上させるために、機械部分には新素材が使用されています。また、復水器は主機とは独立して配置されているため、故障時のリスクも軽減されています。

兵装と改装

高雄は、15cmおよび12cmのクルップ砲が搭載され、その位置も精密に設計されていました。また、国産艦艇として初めて魚雷発射管を装備したのも大きな特徴です。これにより、艦艇運用における攻撃力が飛躍的に向上しました。

1889年12月には短4ポンド砲2門が礼砲用として装備されるなど、その改装も進みました。

歴史と艦長

1883年に横須賀造船所で建造が始まり、1889年に無事竣工。その後、日清戦争や日露戦争といった歴史的な戦役にも従事し、兵役を果たしました。高雄の艦長には、山本権兵衛少佐を始めとする有能な指揮官が数多く就任しており、艦の運用に貢献しました。

1911年には除籍され、艦艇類別等級表からも削除されました。最終的には1912年に売却されることになりますが、その間に数多くの歴史的役割を果たしました。高雄の艦船の特筆すべき点は、国産艦艇の先駆けとしての意義と、時代の要求に応じた柔軟な改装が施されていることです。このように、高雄は日本海軍の巡洋艦として、多くの歴史的な瞬間に立ち会った重要な艦船であると言えるでしょう。

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