高雄捷運環状軽軌

高雄ライトレール（環状軽軌）

高雄ライトレール（環状軽軌、かんじょうけいき）は、台湾の高雄市で運行されている高雄捷運のライトレール路線です。高雄市では現状唯一のライトレール路線であり、「高雄ライトレール」または「高雄LRT」といえば、通常この路線を指します。2021年までに開業した区間は、旧台湾鉄路管理局高雄臨港線の経路を引き継いでいます。

概要

当初、2009年に高雄市で開催されたワールドゲームズまでの開通を目指していましたが、路線の変更やBOT方式の採用を巡る問題が発生し、開通時期は未定でした。2012年に行政院でBOT事業案が承認され、総延長22.1km、36停留所を総額165.37億台湾ドルを投じて2段階に分けて整備されることが決定しました。第1段階は2013年に着工し、2015年10月に籬仔内駅～凱旋中華駅間で試運転を開始、2017年9月に第1段階全区間が開業しました。第2段階は台鉄縦貫線・屏東線の地下化完了を待って2024年に全通。哈瑪星駅から西子湾方面への支線延伸構想も存在します。

沿革

2003年:
12月27日：シーメンスのライトレール車両コンビーノが中央公園で展示され、約3ヶ月のデモンストレーションを実施。
2012年:
9月10日：行政院経済建設委員会で「高雄都区軽軌運輸系統高雄環状軽軌捷運建設案」の修正案が通過し、事業の骨子が確定。
2013年:
1月4日：スペインのCAFと台湾ゼネコン長鴻営造公司の連合が、車両と第1段階区間(籬仔内駅～哈瑪星駅)8.7㎞の建設工程を総額56億7900万台湾ドルで落札。
6月4日：第1段階区間着工。
2014年:
9月11日：スペインで製造された車両が海上輸送で台中港に到着。高雄ガス爆発事故の影響で、前鎮機廠が使えず、紅線の南機廠に暫定保管。
11月9日：車両の静態試運転。
11月22日：試運転開始。
2015年:
3月29日：投票によって決定された第1段階区間の駅名が発表。
10月14日：施行担当企業の長鴻営造公司が不渡りのため、一部区間で工事が中断。
10月16日：籬仔内(C1)－凱旋中華(C4)間2.2キロで体験乗車のみのプレ開業（運賃無料）。
12月24日：籬仔内以外の駅での乗降も可能になる。
2016年:
2月5日：凱旋中華(C4) - 高雄展覧館(C8)間で試運転開始。
6月26日：凱旋中華 - 高雄展覧館間2.4km延伸開業。
7月4日：プレ開業区間の正式開業。運行時間帯の拡大、増発。
9月26日：凱旋中華 - 高雄展覧館間延伸開業。
2017年:
6月30日：高雄展覧館 - 駁二大義間2.6km延伸開業。
9月末ごろ：駁二大義 - 哈瑪星間1.5km延伸開業により1段階区間が全通、同時に有料化。
11月1日：一律10元の優待運賃による有料化。
2018年:
2月13日：悠遊卡が利用可能に。
2月14日：愛金卡が利用可能に。
2021年:
1月12日：第2期大南環区間が開業。
12月16日：第2期馬卡道路区間延伸開業。
2024年:
1月1日：第2期大順路区間プレ開業とともに全線開業。

2期区間中断問題

1期区間とは異なり、既存市街地の街路上に併用軌道が設置されるC20（台鉄美術館）からC30（科工館）にかけては、沿道の住民が建設に反対し、工事が一時中断しました。市長交代後、ルート見直しが行われましたが、最終的には地上案が維持されることになりました。

運賃

2024年の全線開業に伴い、距離制運賃が導入されました。5kmまでは20元、その後2kmごとに5元ずつ加算され、9km以上は一律35元となります。以前は無料期間や優待運賃が適用されていましたが、現在はICカード利用による割引などが提供されています。

運行

運行時間帯: 6:30 - 22:00
運行間隔: 15分毎（夕ラッシュは10分毎）

車両

1次車: Urbos 3（9編成）
2次車: Citadis X-05シリーズ（15編成）

全線開業時で20編成が運行されています。

駅一覧

（駅名リストは省略）

関連項目

台湾の鉄道
捷運
路面電車
* ライトレール

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