高雄臨港線

高雄臨港線の歴史と変遷

高雄臨港線は、台湾高雄市における港湾開発と密接に結びついた鉄道路線でした。その歴史は、1908年から1912年の第一次高雄港築港事業に端を発します。

初期の発展

最初に開通したのは漁港線で、その後、1912年から1937年の第二次築港事業期間中に、新濱三丁目までの支線、通称「濱線」が開通しました。濱線は後に、哈瑪星という地名の由来となりました。さらに、堀江町や入船町（現在の駁二芸術特区付近）への支線も開通し、高雄港の発展に貢献しました。

戦時中の拡張と被害

第二次世界大戦中には、第三次築港事業が進められ、高雄川（現在の愛河）を越えて苓雅寮の重工業地帯まで路線が延伸され、通称「西臨港線」が完成しました。また、1941年から1945年の間に、高雄から開運橋（現在の成功橋）までの前鎮線（東臨港線）も開通し、苓雅寮から鳳山駅を結ぶ軽便鉄道や、糖業鉄道と一体となった物資輸送が行われていました。しかし、米軍の空襲により臨海部の軌道は大きな被害を受けました。

戦後の復旧と衰退

戦後、1950年代前半には米国の支援により港湾施設とともに復旧作業が行われ、1967年には第一臨港線、1977年には第二臨港線が全通しました。しかし、モータリゼーションの進展とともに鉄道貨物輸送の重要性は低下し、第二臨港線の側線である「中国鋼鉄線」は開通からわずか11年後の1988年に、濱線は2002年に廃止されました。

旅客輸送と路線の廃止

本線部分では、2003年8月から2006年まで旅客列車「DoDo火車」が運行されていましたが、2008年11月19日には、第一臨港線の前鎮調車場から高雄港までの区間が廃止、撤去されました。跡地は西臨港線自転車道として転用され、その後、高雄LRT（ライトレール）の建設のために撤去されました。第二臨港線も2011年7月12日に廃止されています。

東臨港線の終焉

残っていた東臨港線（第一臨港線の前鎮調車場から高雄まで）も、2018年10月14日に開業した屏東線の高雄市内地下化と高雄ライトレール2期区間建設に伴い、同年9月末に最後の営業区間が台鉄から市政府に移管され、9月28日には職員通勤列車の最終運行日を迎え、その歴史に幕を下ろしました。なお、高雄機廠の稼働は潮州車両基地への移転が完了する2021年まで継続し、その間、保守車両はトレーラーによる搬入となりました。

使用車両

嘟嘟列車（自強号DR2900型）：かつて運行されていた旅客列車。
職員通勤列車（普通車印度仔）：職員輸送に使用されていた車両。

駅一覧

具体的な駅名についての記述はありません。

その後の活用

現在、高雄臨港線の跡地は自転車道やLRT（高雄捷運環状軽軌）の建設のために再利用されており、過去の鉄道遺構は姿を変えながらも、都市の発展に貢献しています。

関連事項

台湾の鉄道
台湾鉄路管理局

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