『
鬼平犯科帳 劇場版』は、
1995年に公開された日本の映画で、フジテレビ系列で放送されていた人気テレビ時代劇を基にしています。二代目中村吉右衛門が主演する本作は、
松竹創業100周年を記念した特別な作品として、多くの時代劇ファンから注目を集めました。キャッチフレーズ「迷うな、ためらうな、一歩もひくな!」が示す通り、緊迫感満載の物語が展開されます。
あらすじ
物語は、「鬼の平蔵」との異名を持つ
火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の前に現れる盗賊の一人、「狐火の勇五郎」から始まります。勇五郎は、残虐な手法で屋敷を襲う事件を引き起こしますが、実は彼の正体は勇良無道ではありません。密偵のおまさは、勇五郎と過去に恋愛関係にあり、彼の腹違いの弟である文吉が、勇五郎の名前を使っていることをひも解きます。これを平蔵に報告することで、物語は次第に複雑に絡み合った人間関係や陰謀に発展していきます。
さらにストーリーは、大阪の元締・菊右衛門と江戸の盗賊頭・荒神のお豊といったキャラクターが加わり、平蔵にレビューを抱くお豊が、彼の息子・辰蔵に目を付けるなど、緊迫した状況を描写します。物語が進むにつれて、裏の意図が絡み合い、平蔵は自身の信念を武器に様々な敵に立ち向かいます。
登場人物
主なキャストとして、長谷川平蔵役には二代目中村吉右衛門、密偵おまさ役には
梶芽衣子、盗賊の勇五郎役は
世良公則など、豪華な俳優陣が揃っています。また、登場人物を通して、様々な人間ドラマや感情模様が描かれ、観客を対象に心の奥を揺さぶります。
スタッフ
本作は、
小野田嘉幹が監督を務め、
池波正太郎の原作に基づいた脚本は
野上龍雄が手掛けています。また、音楽には
津島利章が起用され、映画の雰囲気を一層引き立てます。撮影や照明、編集など、各セクションもこだわりを持って作成されており、映像としてのクオリティも高いものとなっています。
テレビ放送
『
鬼平犯科帳 劇場版』は、その後もテレビでの放送が行われ、1997年や2010年、2013年、2018年にはスペシャル版として再放送されました。これにより、新しい世代の視聴者にも作品を届けることができ、多くの支持を集めています。
受賞歴
本作は、 第20回
報知映画賞で助演女優賞(
梶芽衣子)を受賞しており、演技力が高く評価されたことがうかがえます。
『
鬼平犯科帳 劇場版』は、その魅力的なストーリーとキャラクター、優れた制作陣、映像美からなる一作として、未だ多くのファンに愛され続けている作品です。