魁罡功

魁罡功（かいごう いさお）は、1941年11月16日に青森県青森市で生まれ、二子山部屋に所属した大相撲力士です。本名は、大村 功（おおむら いさお）といい、現役時代の体格は182cm、111kgでした。右四つを得意とし、投げ技も得意としていました。

異色の四股名と相撲界入り

魁罡という四股名は非常に難読で、「星の王様」という意味を持つとされています。中学生時代には自動車部に所属し、運転手を志していましたが、相撲への情熱が勝り、巡業で青森を訪れた横綱・初代若乃花に自ら入門を志願。そのまま上京し、若乃花の内弟子として花籠部屋に入門しました。1960年9月場所に初土俵を踏みました。

二子山部屋への移籍と苦労

1962年、元若乃花が二子山親方として独立すると、魁罡も山中（後の二子岳）らと共に二子山部屋に移籍しました。体重が増えにくい体質のため、三段目や幕下で苦労しましたが、稽古で足腰と腕力を鍛え、軽量ながらも上位で活躍できるようになりました。

十両優勝と入幕

1968年5月場所、27歳で十両に昇進。同年11月場所では、西十両3枚目で12勝3敗という好成績を収め、十両優勝を果たしました。その勢いのまま、翌1969年1月場所で新入幕を果たしました。右四つからの巧みな技と、低い姿勢からの潜り込みで力を発揮し、小股掬いなどの技を見せました。

幕内での苦戦と引退

1969年11月場所には、自己最高位タイの西前頭5枚目に昇進しましたが、4勝11敗と大きく負け越してしまいました。番付運にも恵まれず、翌1970年1月場所では東十両筆頭まで番付を落とされました。その後も再入幕を目指して相撲を取り続けましたが、十両の上位と下位を往復する状況が続きました。1971年3月場所では、三段目から幕下時代に名乗っていた「二子龍」にちなんで「二子竜」に改名しましたが、東十両11枚目で4勝11敗という成績に終わり、幕下陥落が決定的となったため、同場所を最後に引退しました。

短命に終わった年寄襲名

引退後はすぐに角界を去るつもりでしたが、二子山親方が本人の了承を得ずに、年寄・放駒の襲名届を提出。しかし、廃業の意志が固かったため、翌日には廃業しました。年寄襲名期間はわずか1日で終わり、今後も破られることのないであろう年寄最短襲名記録を作りました。

引退後の消息

廃業後は名古屋市内で飲食店を経営していましたが、現在は消息不明です。

主な戦績

通算成績：307勝277敗 勝率.532
幕内成績：40勝50敗 勝率.444
現役在位：63場所
幕内在位：6場所

各段優勝

十両優勝：1回（1968年11月場所）

改名歴

大村 功（おおむら いさお）1960年11月場所-1962年7月場所
二子龍 功（ふたごりゅう - ）1962年9月場所-1967年5月場所
魁罡 功（かいごう - ）1967年7月場所-1971年1月場所
二子竜 功（ふたごりゅう - ）1971年3月場所

年寄変遷

放駒 功（はなれごま いさお）1971年3月28日-同年3月29日

参考文献

『戦後新入幕力士物語 第3巻』（著者：佐竹義惇、発行元：ベースボール・マガジン社、1991年、p230-p233）

関連項目

難読な四股名
大相撲力士一覧

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