魔界塔士Sa・Ga

魔界塔士 Sa・Ga：ゲームボーイ初のミリオンセラーRPG

『魔界塔士 Sa・Ga』は、1989年12月15日にスクウェア（現スクウェア・エニックス）からゲームボーイ用ソフトとして発売されたRPGです。スクウェア初のゲームボーイ用ソフトであり、携帯ゲーム機初のRPGとして、ゲーム史に名を刻みました。本作は、同社初のミリオンセラーを達成し、後のサガシリーズへと繋がる金字塔となりました。

ストーリー

物語は、世界の中心にそびえ立つ塔を舞台に展開されます。かつては自由に出入りできた塔の入り口が閉ざされ、世界に混乱が訪れます。人々は塔の頂上にあるという楽園の伝説を信じ、希望を抱き続けていました。主人公は、塔の謎を解き明かし、楽園を目指す冒険者の一人として、塔の中へと足を踏み入れます。

大陸世界

主人公は、最初に訪れる「大陸世界」で、剣の王、鎧の王、盾の王の三勢力が覇権を争う様子を目の当たりにします。三勢力から英雄の像の剣・鎧・盾を手に入れた主人公の前に、「大陸世界」の支配者である玄武が現れます。玄武を倒した主人公は、黒のクリスタルを手に入れます。

海洋世界

黒のクリスタルで塔の扉を開け、第5階層の「海洋世界」にたどり着きます。海に浮かぶ島々を渡り、かつての支配者だった竜王に会います。竜王から出された謎を解き、報酬を得た後、主人公は竜王から支配者の座を奪った青龍と戦い、青のクリスタルを手に入れます。

空中世界

次に、第10階層の「空中世界」を訪れます。雲の上に広がる「空中世界」を支配する白虎は、レジスタンスのリーダーであるジャンヌとその双子の妹ミレイユが持つ白のクリスタルの鍵を奪うため、主人公を利用しようとします。しかし、最終的にはジャンヌと協力した主人公によって倒されます。

都市世界

白のクリスタルを手に入れた主人公は、第16階層の「都市世界」に足を踏み入れます。そこは、不死身の朱雀によって荒廃した都市でした。主人公は、都市に住む暴走族の総長と対立しますが、総長の妹であるサヤカをモンスターから救ったことをきっかけに和解します。そして、原子力発電所でデスマシーンと戦い、プルトニウムを手に入れ、朱雀のバリアを中和する「イレイサー99」を完成させます。

大魔王と神

朱雀を倒し、最上階である23階に到着した主人公たち。そこへ、朱雀たち四天王の親玉である大魔王アシュラが現れ、新たな四天王にならないかと誘われます。アシュラを倒すと、今度はシルクハットの男が現れます。彼の正体は神であり、退屈しのぎのためにアシュラたちを放ったことが判明します。

キャラクター成長システム

本作のキャラクター成長システムは、『ファイナルファンタジーII』の熟練度システムを発展させたものです。戦闘中の行動に応じて能力が変化するシステムは、当時としては斬新でしたが、本作では「戦闘中にとった行動」が直接成長に影響するシステムは採用されていません。

種族の特徴と成長方法

種族は、人間、エスパー、モンスターの3種類。人間はアイテムで能力を上げ、エスパーは戦闘後の突然変異で成長、モンスターは倒した敵の肉を食べることで別のモンスターに変身し、能力が変化します。この「肉を食べて強くなる」システムは、本作の大きな特徴の一つです。

バトルシステム

敵との遭遇はランダムエンカウントで行われます。戦闘はターン制のコマンドバトルで、装備している武器がそのままコマンド名として表示されるのが特徴です。敵もアイテムや特殊能力の使用回数に制限があり、使い果たすと逃げ出すことがあります。

その他の特徴

自由度の高いセーブシステム： ダンジョン内やボス戦直前でもセーブが可能。
統一感のない世界観： 四天王が支配する世界、東京をモチーフにした都市など、様々な世界が塔の中に存在。
* ラスボスをチェーンソーで倒せる： バグが仕様となった、本作を象徴する現象。

リメイク版

ワンダースワンカラー版や携帯アプリ版など、様々な機種でリメイクされています。グラフィックの向上や操作性の改善、新要素の追加など、オリジナル版の魅力を損なうことなく進化を遂げています。

『魔界塔士 Sa・Ga』は、その革新的なシステムと独特な世界観で、多くのプレイヤーを魅了し、後のRPGに大きな影響を与えました。今なお色褪せない名作を、ぜひプレイしてみてください。

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