魯鐸

魯鐸（ろ たく）は、明代中期に活躍した学者であり、官僚としても重要な役割を果たした人物です。1458年に沔陽州景陵県（現在の湖北省天門市一帯）で生まれ、字を振之と称しました。

その学識の高さから、1502年（弘治15年）には進士試験に首席で合格し、会元の栄誉に輝きました。進士及第後は翰林院に配属され、庶吉士としてキャリアをスタートさせます。その後、1504年（弘治17年）には翰林院編修へと昇進し、その才能を発揮しました。

1505年（弘治18年）には、ベトナムの黎朝に対する使節という重要な任務を任されます。これは彼の外交官としての能力を示すものでした。その後、1507年（正徳2年）には国子司業という教育機関の要職に転じ、後進の育成にも尽力しました。1515年（正徳10年）には、南京国子祭酒に抜擢され、翌年には国子祭酒として、学術の中心的な役割を担います。

しかし、1517年（正徳12年）には病を理由に官を辞し、故郷へ帰ることになります。その後、1522年（嘉靖元年）には、刑部尚書であった林俊の推薦により、再び南京国子祭酒として起用されます。しかし、1523年（嘉靖2年）に致仕を願い出て、官界から引退しました。

魯鐸は1524年（嘉靖3年）に67歳で生涯を閉じました。その功績を称え、文恪という諡が贈られています。彼は学者としてだけでなく、官僚としてもその手腕を発揮し、明朝の発展に貢献した人物と言えるでしょう。

著書には、『魯文恪公集』10巻、『已有園稿』2巻、『已有園続稿』1巻が残されており、彼の学問に対する姿勢や思想を垣間見ることができます。

参考文献

* 『明史』巻163 列伝第51

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