鮑貴卿

鮑貴卿の人生と功績

鮑貴卿（ほう きけい）は、清末から中華民国にかけて活躍した軍人であり、政治家としても名を馳せた。彼は北洋系、北京政府、奉天派に関わり、様々な歴史的事件に重要な役割を果たした。

幼少期と軍歴の始まり

彼は山東省に生まれ、青年期には学問を重んじたが、家庭の経済的困難から学業を断念し、農業に従事することとなった。19歳の時、山海関に駐屯していた淮軍の葉志超の部隊に加わり、天津武備学堂での2年間の学びを経て、1888年に卒業した。その後、葉の指揮する正定練軍で砲隊哨長としての任を受け、戦歴を重ねていく。

日清戦争とその後の起伏

1894年、日清戦争が勃発し、彼は葉志超に従い朝鮮に向かう。しかし、戦のさなか、葉は逃亡し、鮑はこの事件に連座して免職となる。その後、彼は袁世凱が新たに編成した新建陸軍に復帰し、陸軍の中で名声を高めていった。彼は多くの重要なポジションに就くことで、軍人としての評価を確立し、特に段祺瑞や王士珍からも高い評価を得た。

革命と中華民国の時代

1911年、武昌起義が発生し、鮑貴卿もこれに参加。清帝の退位を促す電文に名を連ね、これによって中華民国が成立する。彼は陸軍少将に昇進し、さらに中将に就任する。その後、彼は二次革命に従事し、安徽省に出撃したが、混乱した状況の中で、自身のキャリアは複雑化していく。

鉄道事業と権力の巣窟

1916年に袁世凱が亡くなると、鮑貴卿は張作霖の後ろ盾を得て、奉天派に参加。彼は黒竜江の督軍に任命され、さらに東清鉄道の事業をしっかりと管理下に置いたことから権力を握る。しかし、彼の日本との接触や密約が公になり、世間からの批判が強まり、最終的に督軍を辞任することになる。

軍人としての最後

1921年には軍を辞し、張作霖が組織した内閣で陸軍総長に就任するが、奉天派の敗北により再度軍人の職から退くことを余儀なくされる。その後もしばらくは政界での役割を担ったが、1928年の張作霖爆殺事件を境に完全に退陣し、静かな余生を送ることになる。そして、1934年に亡くなり、彼の68年の生涯を閉じた。

まとめ

鮑貴卿はその長い人生の中で、中国の軍事政治に深くかかわり、数々の歴史的出来事に影響を与えた。しかし、彼の行動には賛否が分かれる側面も多く、彼自身が歴史の舞台に立つ中でどのように評価されていくのかは注目される点である。

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