鯰峠

鯰峠（なまずとうげ）

鯰峠は、兵庫県赤穂郡上郡町と赤穂市の行政境界に位置する峠です。上郡町側からは兵庫県道5号姫路上郡線が接続し、赤穂市側には赤穂国際カントリークラブが所在します。

名称の由来

魚類の名前が付けられた峠は、兵庫県内では珍しい存在です。その由来は、以下のような伝説に遡ります。

昔、鯰峠付近の馬路池には、恋仲の鯰たちが棲んでいました。しかし、ある時、巨大な大蛇が現れ、二匹の鯰を飲み込んでしまいました。この事態を嘆いた弘法大師（空海）が、大蛇と鯰の供養を行ったと伝えられています。この伝説にちなみ、峠は「鯰峠」と名付けられたと言われています。

山陽道との関わり

赤穂市と上郡町の境界には、いくつかの峠が存在し、鯰峠もその一つです。鯰峠の南には、江戸時代の山陽道が通っていた有年坂峠がありました。しかし、有年坂峠は勾配が非常に急で、通行が困難な難所であったため、かつての山陽道を踏襲する形で建設された国道2号は、鯰峠を通るように経路が変更されました。なお、この付近の山陽道の経路変更はこれが初めてではなく、古代の山陽道は現在の兵庫県道5号姫路上郡線に近いルートを通っていました。

周辺情報

船坂峠: 国道2号を西方面へ約5km進むと、兵庫県と岡山県の県境に位置する船坂峠があります。この峠は、古代の山陽道が通っていたとされています。
太山寺・播磨自然高原: 鯰峠から北東方面へ向かうと、真言宗の寺院である太山寺や、豊かな自然が広がる播磨自然高原があります。
上郡駅: 峠の上郡町側の県道を約5km進むと、JR西日本と智頭急行が乗り入れる上郡駅にアクセスできます。

関連情報

日本の峠一覧

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