鯱ノ里一郎

鯱ノ里政弘（しゃちのさと まさひろ）

鯱ノ里政弘は、1914年（大正3年）に愛知県名古屋市で生まれた大[[相撲]]力士です。本名は松崎一雄（旧姓:加藤）。若枩部屋に所属し、最高位は西前頭3枚目でした。身長179cm、体重130kgという当時としては恵まれた体格を持ち、左四つからの上手投げ、寄りを主な武器としていました。

人物像

四股名の「鯱ノ里」は、出身地である名古屋城の金鯱にちなんで名付けられました。また、改名前の「太閤山」も、同じく愛知にゆかりのある豊臣秀吉に由来します。その端正な容姿から、女性ファンに非常に人気があったと言われています。

実力も高く、横綱玉錦との取組では水入りとなるほどの激戦を繰り広げました。しかし、その温厚でのんびりとした性格が災いしたのか、三役には一度も昇進することができませんでした。アキレス腱を断裂し十両に陥落するも、その後再び幕内に返り咲き、その実力の片鱗を見せつけました。

また、著書の中で出羽錦が記したエピソードによると、広島での巡業の際、土俵下で観戦していた地元暴力団幹部の上に、木村宗次郎（後の入間川親方）が転落し、その報復として支度部屋に石が投げ込まれた際、鯱ノ里が「小倉、太刀持ってこい」と怒鳴りつけ、その剣幕は歌舞伎役者のようであったと言われています。

引退後は、西岩部屋（後に若松部屋）を創設し、高砂一門に所属。房錦、岩風の両関脇や前頭大鷲など、個性的な力士たちを育てました。相撲協会では、検査役や理事も務め、相撲界の発展に貢献しました。1968年には、相撲協会の機構改革に伴い、理事・監事が選挙で選出されることになった際、監事候補として立候補しましたが、落選しました。この出来事がきっかけとなり、その後約30年間にわたり、各一門間での票の調整が行われ、選挙は無投票が続きました。

略歴

1929年1月場所：若枩部屋から初土俵を踏む。
1935年1月場所：新十両に昇進。
1937年1月場所：新入幕を果たす。
1947年6月場所：引退し、年寄西岩を襲名。
1954年1月場所：師匠から弟子を預かり、西岩部屋を創設。
1956年5月：先代の死去に伴い、若松に名跡を変更（部屋名も若松部屋に改称）。
1979年8月：停年退職。若松の年寄名跡と部屋を房錦（当時は年寄山響）に譲る。

主な成績

通算成績：200勝230敗2分5休 勝率.465
幕内成績：84勝137敗2分5休 勝率.380
現役在位：46場所
幕内在位：18場所

四股名変遷

太閤山 ?（たいこうやま ?）：1929年1月場所 - 1932年3月場所
鯱ノ里 一郎（しゃちのさと いちろう）：1932年5月場所 - 1944年1月場所
鯱ノ里 政弘（しゃちのさと まさひろ）：1944年5月場所 - 1945年11月場所（※「政」の字は「正」の下に「又」）
鯱ノ里 政弘（しゃちのさと まさひろ）：1946年11月場所
鯱ノ里 政弘（しゃちのさと まさひろ）：1947年6月場所（※「政」の字は「正」の下に「又」）

年寄変遷

西岩 一雄：1947年6月 - 1956年5月
若松 万雄：1956年5月 - 1979年8月

関連項目

* 大[[相撲]]力士一覧

もう一度検索