鳥羽城

鳥羽城について

鳥羽城は、現在の三重県鳥羽市鳥羽三丁目に位置する、かつて存在した日本の城です。この城は、志摩国答志郡鳥羽、現在の鳥羽市にあたる場所に築かれ、鳥羽藩の藩庁が置かれていました。特筆すべきはその構造で、水軍の城として、大手門が海側へ突出して築かれている点が特徴です。そのため、「鳥羽の浮城」とも称されました。また、城の海側は黒色、山側は白色に塗り分けられていたため、「二色城」や「錦城」という異名も持っていました。現在、この城跡は三重県指定の史跡となっています。

歴史

鳥羽城の歴史は、中世に橘氏の居館があった場所が起源です。1594年（文禄3年）に、豊臣秀吉の家臣であった九鬼嘉隆によって築城されました。その後、九鬼家3代、内藤家3代、天領、土井家1代、大給（松平）家1代、板倉家1代、戸田（松平）家1代と、城主が頻繁に入れ替わる時期が続きました。1725年（享保10年）以降、稲垣家が8代にわたって城主を務め、ようやく安定しました。しかし、1854年（安政元年）の地震によって天守を含む城内の建物が倒壊し、修理されることなく、1871年（明治4年）に廃城となりました。

現在の鳥羽城跡

現在、鳥羽城跡は、鳥羽水族館の裏手にある低い丘陵地に位置しています。本丸跡は鳥羽市立鳥羽小学校の運動場となり、山麓北側の武家屋敷跡には市役所や城山公園、旧鳥羽幼稚園などが建設されています。現在でも、本丸と旧家老屋敷の石垣が遺構として残っており、1965年（昭和40年）12月には三重県史跡に指定されました。2018年（平成30年）には、『極秘諸国城図』の中から鳥羽城の絵図が発見・確認され、翌2019年（令和元年）に公開されました。

天守の存在

長らく鳥羽小学校の敷地となっていた本丸跡では、2010年（平成22年）に発掘調査が行われました。この調査では、天守曲輪に関連する雨落ち溝などの遺構が確認されましたが、天守台と推定される場所は削平が著しく、石垣の痕跡は見つかりませんでした。しかし、2013年（平成25年）に鳥羽市立図書館で天守の具体的な寸法を記した古文書が発見されました。この古文書によると、天守の一重目と二重目は正面5間、奥行6間、三重目は3間半と3間1尺の広さを持ち、四方には3尺の走りが設けられ、天守台には納戸が存在したとされています。

ギャラリー

[鳥羽城の風景画像1]
[鳥羽城の風景画像2]
[鳥羽城の風景画像3]

脚注

[脚注1]

関連項目

• - 九鬼水軍
• - 海城 (城郭)

外部リンク

• - 『鳥羽城之絵図』 - 三重県 生活部文化振興室 県史編さんグループ
• - 県史跡 鳥羽城跡（とばじょうあと） - 鳥羽市公式サイト
• - 鳥羽城跡と城山公園 - 伊勢志摩きらり千選（財団法人伊勢志摩国立公園協会）

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