伊勢志摩きらり千選

伊勢志摩きらり千選：地域の宝を発掘し、未来へつなぐ

「伊勢志摩きらり千選」は、三重県の伊勢志摩地方に眠る地域資源を、住民の目線で発掘・選定し、広く発信するプロジェクトです。観光業の不振や高齢化といった課題を抱える伊勢志摩地域において、地域の魅力を再認識し、地域振興や活性化に繋げることを目的としています。

プロジェクトの背景

2000年（平成12年）に策定された「伊勢志摩生活創造圏ビジョン」において、地域活性化のための45の提案の一つとして「伊勢志摩きらり千選」が提唱されました。これを受け、三重県南勢志摩県民局の職員と地域住民が中心となり、「伊勢志摩きらり千選実行グループ」が設立され、プロジェクトが本格的に始動しました。

地域資源の選定

2001年（平成13年）には、伊勢志摩地域に住む人々から地域資源の候補を公募。集まった4,733件もの候補の中から、実行グループとは別に組織された委員会が実地調査を行い、最終的に1,056件が「伊勢志摩きらり千選」として選定されました。選定された資源は、自然・風景・風土、歴史・文化、産業・特産品など、多岐にわたる分野を網羅しています。

ウェブサイトと地域資源マップ

選定された地域資源は、ウェブサイト「伊勢志摩きらり千選」で公開されています。美しい写真とともに、それぞれの資源の魅力や背景が丁寧に紹介されており、伊勢志摩の観光情報源としても活用されています。また、2003年（平成15年）には地域資源マップが発行され、地域を巡る際のガイドとしても役立ちました。その後も資源の整理や追加が行われ、2006年（平成18年）に新しいマップが制作されています。

選定された資源の例

伊勢志摩には、豊かな自然や歴史、文化に育まれた様々な地域資源が存在します。以下はその一例です。

青峰山: 標高の高い山から見下ろす景色は絶景。
芦浜: 美しい砂浜が広がる海岸。
伊勢の『な』ことば: 伊勢地方独特の方言。
伊勢神宮に関する資源: 日本を代表する神社であり、数多くの関連資源が選ばれています。
明野高校のジャム: 地元の高校生が作る手作りジャム。
アユのなれずし: 伝統的な発酵食品。
大湊の歴史的造船街風景: 江戸時代から続く造船の歴史を感じさせる街並み。
通り能: 地域に伝わる伝統芸能。
二見浦海水浴場: 夫婦岩で有名な景勝地。
野口みずき金メダルロード: マラソン金メダリストの野口みずき選手にちなんだ道。
松井孫右衛門と人柱の碑: 悲しい伝説を伝える史跡。
鳥羽竜の化石と発見現場: 貴重な化石が発見された場所。
御木本幸吉生誕地: 真珠養殖の創始者、御木本幸吉の生誕地。
英虞湾のリアス式海岸: 美しいリアス式海岸が広がる。
天の岩戸: 神話に登場する岩戸。
安乗人形芝居: 伝統的な人形劇。
鯨石: 鯨の形をした巨石。
潮かけ祭: 海水をかけあう勇壮な祭り。
大王埼灯台: 海を見守る灯台。
田丸城跡とそこからの四季折々の風景: 歴史を感じさせる城跡。
砂糖じょう油で食べるブリの刺し身: 地域独特の食文化。
田曽浦のタコ伏せ漁: 伝統的な漁法。
* 能見坂峠から見た入り江: 絶景の眺め。

現在の活動

伊勢志摩きらり千選実行グループは、現在もボランティア団体として活動を続けています。週1回の会議で地域資源の取材やウェブサイトの運営を行い、伊勢志摩の魅力を発信し続けています。事務局は伊勢志摩国立公園協会内に移転し、より広範囲な活動を展開しています。

「伊勢志摩きらり千選」は、地域住民が主体となって地域の魅力を発掘し、発信する画期的な取り組みです。このプロジェクトを通して、伊勢志摩の隠れた魅力を再発見し、地域活性化に貢献することが期待されています。

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