鳳翔 (砲艦)

鳳翔（ほうしょう）

鳳翔は、日本海軍の砲艦で、旧仮名では「ほうしゃう」とも表記される艦艇です。この艦は、長州藩がイギリスに発注し、1869年に完成した後、明治政府に献納されました。小型艦ではありますが、初期の日本海軍にとっては貴重な戦力として活躍しました。艦名の「鳳翔」は、空を飛ぶ鳳凰の姿を意味しており、象徴的な名前を持つ艦でした。

艦型

鳳翔は、3檣バーク型の木造砲艦です。蒸気機関には、2気筒の横置き直動機関が1基搭載され、出力は110IHPでした。速力は7.5ノットから6ノットの範囲で記録されています。一部資料では、出力が240IHPで速力11ノットと記載されることもありますが、燃料の石炭810英トンという数字は排水量を考慮すると過大評価とされています。

兵装

採用時には、鳳翔は多様な兵装を誇っていました。初期には、前部と中部のマストの間に100ポンドの自由砲1門、中部と後部のマストの間に40ポンドの後装自在砲1門、艦首に20ポンド後装砲を両舷に各1門の計4門を搭載していました。機関の改良や時代の変化に伴い、装備は変遷を遂げ、1889年頃には新たな砲装が施されました。

艦歴

長州藩時代

鳳翔は対幕府戦の支援を目的に、長州藩がイギリスのアバディーンで建造しました。1867年に契約が結ばれ、翌1868年に進水しました。明治元年には艦名が鳳翔丸と改名され、翌年には品川沖に回航されましたが、戦闘には参加せず、修理を経ながら海軍に献納されることになります。

明治期の展開

1869年、鳳翔が明治政府に献納されると、艦は西南戦争や佐賀の乱など多くの重要な歴史的事件に参加しました。明治4年には六等艦に指定され、その後中艦隊に編入。さらに、多くの訓練や任務、救援活動を通じて、短期間で様々な役割を果たしました。特に、1875年から1876年にかけては朝鮮での警備任務に従事し、在留邦人の保護を目的として出動しました。

日清戦争と以降

日清戦争では呉軍港の警備、弁議などを行い、艦は重要な役割を果たしました。1898年には二等砲艦に分類されたものの、1899年には除籍され、雑役船へと改編され、2006年には正式に売却されることになります。

艦長たち

鳳翔を指揮した艦長には、福島敬典大尉、澤野種鉄少佐、山崎景則少佐など、多くの指導者が名を連ねています。彼らの指揮のもと、鳳翔は数々の任務を遂行し、海軍の発展に寄与しました。

結論

鳳翔は単なる艦船に留まらず、日本近代海軍発展の重要なシンボルでありました。その歴史を紐解くことで、初期の日本の海軍力の形成過程や、国家の変革を感じ取ることができます。この小型艦の物語は、日本の海軍史に欠かせない一ページを飾っています。

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