鳴海 (砲艦)

鳴海 – 日本海軍の砲艦

概要

鳴海（なるみ）は、日本海軍に属する砲艦で、元々はイタリア海軍の砲艦「エルマーノ・カルロット（Ermanno Carlotto）」として知られています。この艦名は、東海道五十三次に存在する宿場「鳴海宿」に由来し、現在の名古屋市緑区に位置しています。また、鳴海周辺の海は鳴海潟という名で知られ、太田道灌が歌に詠んだ古い故事から、勝機を捉えたとされています。

艦歴

「エルマーノ・カルロット」は1921年に上海ドックアンドエンジニアリング社で完成しましたが、第二次世界大戦中の1943年、イタリアが降伏する際に日本軍に接収されました。自沈したとの噂もありましたが、捕獲された時期が短く、自沈せずに占有された可能性が高いと考えられています。

1943年11月1日、艦名が「鳴海」と変更され、日本海軍に編入されました。艦籍は佐世保鎮守府に登録され、支那方面艦隊の揚子江方面特別根拠地隊に所属しました。その後、江南造船所で改装や修理が行われ、1944年の年末には工事が完了しました。上海を出港した「鳴海」は、江河を下流警戒する任務に従事しました。

1944年の活動

1944年の初めには南京に到着し、その後揚子江の哨戒を行いました。同年8月1日には再び上海に戻り、同月26日には哨戒任務を継続しました。しかし10月1日には艦の類別が砲艦に変更され、10月7日には九江で敵機P-40による攻撃を受け、艦に損傷が生じました。修理は工作船「早瀬」により行われ、10月10日には第二十四砲艦隊が編成されました。

1945年の活動

1945年、艦は再度攻撃に遭い、1月4日に九江から漢口へ向かう途中でP-51の攻撃を受け、艦に深刻な損傷を負いました。この攻撃で3名の死者と8名の負傷者が出ました。鳴海は1月22日に江南造船所に入渠し、修理を行いました。その後、3月19日には「須磨」と共に南京に向かう途中で「須磨」が触雷沈没し、「鳴海」はそこで乗員を救助する殊勲を挙げました。結局、「鳴海」は上海で終戦を迎えました。

戦後の動向

戦後、1945年9月には中華民国軍に接収され、「江鯤」（Chiang-Kun）と改名されました。日本海軍からの除籍は1947年5月3日となりました。最終的に1949年には中国人民解放軍海軍に降伏し、1960年代に除籍されることになります。

艦長の一覧

• - 吉田駒雄 大尉/少佐: 1943年11月1日 - 1945年2月20日
• - 小池三雄 大尉: 1945年2月20日 - 1945年8月15日

参考文献

日本の艦船や歴史に関する資料を通じて、鳴海の活躍や艦歴についての理解が深まります。戦争の厳しい現実において彼女が果たした役割は、歴史の中で特筆すべきものといえるでしょう。

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