鵙目貫一郎

鵙目貫一郎の生涯と業績

鵙目貫一郎（もずめ かんいちろう）は、1840年1月6日に誕生し、1877年3月13日に逝去しました。仙台藩の支藩である岩出山藩出身であり、維新後には北海道の小樽で教育の整備に尽力した教育者として記憶されています。彼の教育に対する情熱と努力は、後に多くの人々に影響を与えることとなりました。

経歴と役割

鵙目は、岩出山藩の昌平坂学問所に派遣され、藩主である伊達邦直の下で、祐筆から家老への昇進を果たしました。明治維新の時期には、藩主と共に北海道への開拓に参加し、特に北海道当別町での開拓入植に寄与しました。彼は開拓幹事の一員として、藩主の側近として北海道に渡り、地域の発展に貢献しました。

1871年7月、鵙目は小樽郡延嘉裏町に寄留していた際に、地元の住民のために私塾「鵙目塾」を設立しました。この塾は短期間のうちに移転を重ね、1872年10月には開運町に移転。さらに、1873年には開拓使が設置した小樽郡教育所に発展し、ここで彼は初代校長としての役割を担うことになりました。鵙目は、1875年頃まで小樽に滞在し、教育に情熱を注ぎましたが、健康を損ねたため、後に石狩当別へ移り、そこで生涯を終えることになります。

残された記録

鵙目貫一郎は、豊富な日記を残しており、特に北海道への入植を記録した『従駕日録』が史料として有名です。この日記は、当時の学校運営や日常生活の様子を伝える貴重な資料となっており、小樽についての部分は小樽市総合博物館に、その他の部分は当別町教育委員会が保管しています。

また、小樽郡教育所はその後小学校として存続し、最終的には小樽市立量徳小学校となりましたが、2012年に廃校となりました。その跡地には、鵙目の功績を称える「小樽教育発祥之地」の記念碑が建立されています。彼の教育への貢献と情熱は、今も形を変えて引き継がれているのです。

影響と文化的意義

鵙目の人生は、彼が教育に対する情熱を持っていたことの証左でもあります。また、本庄睦男の小説『石狩川』に登場する「玉目三郎」は、彼がモデルとなっていると言われています。このことからも、鵙目は文学や文化の中でもその存在感を示していたといえます。

彼の存在とその成し遂げた業績は、今でも多くの人々に評価されており、教育の進展に寄与したことは、後の世代にも大きな影響を与えています。その記録は、教育界のみならず、広く社会全体に伝えられ続けているのです。

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