鵜住居町

鵜住居町（うのすまいちょう）

岩手県釜石市の北部に位置する鵜住居町は、大槌湾に面し、鵜住居川が流れる自然豊かな町です。郵便番号は026-0301で、鵜住居町1～5丁目と第1～第30地割から構成されています。

地理

釜石市の北部に位置し、一部が大槌湾に接しています。町の北部には鵜住居川が流れ、自然豊かな景観を形成しています。

歴史

沿革

1939年9月17日：国鉄山田線鵜住居駅が開業しました。
1985年3月14日：鵜住居駅長が廃止され、大槌駅の管理下となり、駅員は大槌駅からの派遣となりました。
1987年4月1日：国鉄分割民営化により、鵜住居駅はJR東日本の駅となりました。
2005年4月1日：鵜住居駅は釜石駅管理下の無人駅となりました。
2011年3月11日：東日本大震災による津波で鵜住居駅が流失し、防災センターに避難した多くの人々が犠牲になるという甚大な被害を受けました。
2018年8月19日：釜石鵜住居復興スタジアムが開場しました。
2019年3月23日：山田線の不通区間が三陸鉄道リアス線として復旧しました。

東日本大震災

2011年3月11日、東日本大震災による津波は、鵜住居町に壊滅的な被害をもたらしました。JR山田線の鵜住居駅と線路が流失し、鵜住居地区防災センター、釜石市立鵜住居小学校、釜石市立釜石東中学校が水没しました。この震災で、583人もの死者・行方不明者が出ました。

特に、多数の犠牲者を出した鵜住居地区防災センターの悲劇は、「釜石の悲劇」として語り継がれています。本来避難場所ではなかった防災センターに、過去の避難訓練の影響で多くの住民が逃げ込み、多数の犠牲者が出ました。この悲劇を受け、防災対策のあり方が改めて問われることになりました。

一方、釜石市立釜石東中学校の生徒たちは、日頃の防災教育に基づき、地震発生後すぐに高台への避難を開始しました。一部の生徒が避難を躊躇しましたが、教職員の指示で全員が無事に避難しました。また、この様子を見ていた釜石市立鵜住居小学校の教職員も、当初の方針を転換し、生徒たちを高台に避難させました。小中学生約600人は、海抜約30mの介護施設に避難し、津波から命を守ることができました。この出来事は「釜石の奇跡」と呼ばれています。

震災後の裁判

防災センターで犠牲になった住民の遺族は、釜石市に対して損害賠償を求める裁判を起こしましたが、2017年4月21日、盛岡地方裁判所は「釜石市が正しい避難場所を周知していた」として、原告の訴えを退けました。

交通

鉄道

三陸鉄道リアス線
鵜住居駅：東日本大震災で流失しましたが、2019年3月23日に復旧し、JR東日本から三陸鉄道に移管されました。

道路

国道45号
三陸沿岸道路
岩手県道35号釜石遠野線
岩手県道146号鵜住居停車場線

施設

新川原簡易郵便局
釜石市立鵜住居幼稚園
鵜住居郵便局
釜石市立鵜住居小学校
釜石市立釜石東中学校
うのすまいトモス
薬王堂釜石鵜住居店
浜べの料理宿 宝来館
いのちをつなぐ未来館
釜石市体育館
釜石鵜住居復興スタジアム
釜石祈りのパーク
DCMホーマック釜石鵜住居店(2020年8月閉店)

参考文献

* 渋井哲也『命を救えなかった : 釜石・鵜住居防災センターの悲劇』第三書館、2017年。ISBN 9784807416011。

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