鶴ヶ濱増太郎

鶴ヶ濱 増太郎（つるがはま ますたろう）

生い立ちと初業界

鶴ヶ濱増太郎、本名西本増太郎は、1893年7月19日に奈良県北葛城郡當麻町（現在の葛城市）で生まれました。彼は178cmの身長と105kgの体格を持ち、後に荒磯部屋に所属して大相撲力士としての道を歩みます。増太郎は1911年に四股名「大鶴」として初めて土俵に上がりますが、病を患いその後故郷に戻りました。間もなくして「若ノ川」と名乗り、大坂相撲で再出発を果たしました。

相撲人生の足跡

1912年には東京相撲に復帰し、三段目から再スタートを切ります。続く1918年1月場所では新十両となり、成長を遂げます。1921年に入幕を果たし、特に1922年1月の東前頭4枚目での成績は著しく、当時の横綱である源氏山や千葉ヶ嵜といった強豪を打ち破り、平幕優勝を手にしました。この圧倒的な活躍により、彼はその年の宮城山部屋の連覇を10で止めることとなります。

増太郎は均整の取れた体形と強い足腰を活かして、右四つや吊り、泉川、突っ張りといった技を得意としていました。しかし、不運にも同年の東西合併相撲で足を負傷してしまい、その後は平凡な成績が続くことになります。最終的には1926年5月場所をもって引退し、年寄り・玉垣を襲名しました。

現役引退後の生活

引退後の鶴ヶ濱は、千葉県市川市で料亭を経営しながら、相撲界の影響力を生かして新たな人生を歩みました。平幕優勝を成し遂げたにも関わらず小結に終わった力士として、彼は再評価されています。2023年9月までの記録によると、平幕優勝を達成した上で小結止まりは彼を含めて3名、その中でも特異な存在となっています。

主な成績と評価

鶴ヶ濱の通算成績は74勝66敗8分4休で、勝率は.529です。幕内成績も58勝57敗7分4休、勝率は.504と、決して悪くはありません。現役在位は20場所、幕内在位は12場所でした。各段での優勝も果たし、幕内最高優勝は1922年1月場所、十両優勝も1920年5月場所に記録されています。

墓所とその後

彼の墓所は東京都世田谷区の妙寿寺に存在し、相撲ファンや関係者にとって忘れられない存在となっています。鶴ヶ濱増太郎は、その短命な相撲人生の中で数多くの足跡を残し、相撲界における重要な記録を築きました。彼の人生は、怪我という試練を乗り越え、成長し続けた力士の象徴とも言えるでしょう。

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