鷹羽弘晃

鷹羽 弘晃（たかは ひろあき）氏は、1979年2月21日に東京都で生まれ、現在は千葉県を拠点に活動する日本の音楽家です。作曲、ピアノ演奏、指揮という三つの分野で才能を発揮しています。

経歴と学び

桐朋女子高等学校音楽科（共学）で作曲を専攻した後、2001年に桐朋学園大学作曲理論学科を卒業しました。在学中にはNTTドコモ奨学金を受けています。音楽の学びにおいては、作曲を三瀬和朗氏、権代敦彦氏に、ピアノをローラン・テシュネ氏に、指揮を小泉ひろし氏、秋山和慶氏に師事するなど、多方面から薫陶を受けました。

作曲活動

これまでに、室内楽や声楽曲を中心に数多くの作品を発表しています。1998年には、藤原大巌氏の脚本・演出による舞台「月魂沈海」の音楽を手がけ、キャリアの初期からその才覚を示しました。1999年には、弦楽六重奏のための作品「サーキット」が第68回日本音楽コンクール作曲部門で入選を果たしています。また、「NHK東京児童合唱団が選ぶ日本の歌50選」の編曲に携わるなど、幅広いジャンルでの活躍が見られます。

委嘱作品も多く、ヴェネツィア・ビエンナーレから依頼された「H2O」、『新しいうたを創る会』による「ことのはひらひら」「あらべすく」、東京混声合唱団による混声合唱とピアノのための「ブルレスカ」など、代表作は多岐にわたります。

特に広く知られるきっかけとなったのは、NHK全国学校音楽コンクールの中学校の部課題曲の編曲です。平成20年（2008年）度の課題曲、アンジェラ・アキ作詞・作曲の「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」の編曲を担当し、大きな注目を集めました。翌平成21年（2009年）度も、いきものがかりの水野良樹氏が作詞・作曲した「YELL」の編曲を担当し、その名をさらに広めました。これらの編曲は多くの合唱団によって歌い継がれています。

ピアノ演奏活動

ピアニストとしては、特に伴奏や室内楽の分野で活躍しています。1999年にはヴィオラ奏者との共演で第9回日本室内楽コンクール第1位を獲得しました。多くの器楽奏者や声楽家のコンクール参加を伴奏者として支えており、その信頼は厚いものです。2003年には「otoの会新作コンサートシリーズ」において、自身の作品を含む全曲新作のリサイタルを開催しました。JTアートホールでの「アフターヌーンコンサート」やNHK-FMの「FMリサイタル」に出演するなど、積極的に演奏活動を行っています。

指揮活動と教育者として

指揮者としても活動しており、学窓にいた頃には同窓生と共に「オーケストラ・アニマ」を結成しました。また、日本現代音楽協会アンサンブル「アド・ホック」への客演経験もあります。三善晃の作品「花火の音楽」を初めて全曲公開演奏するなど、日本人作曲家の作品の初演に数多く関わっており、これはピアノ演奏活動においても同様に見られます。

現在、鷹羽氏は音楽教育者としても活動しており、桐朋女子高等学校音楽科の教諭および桐朋学園大学音楽科の非常勤講師を務め、次世代の音楽家の育成に力を注いでいます。

主な作品（抜粋）

NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲 編曲
「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」（2008年、作詞・作曲：アンジェラ・アキ）
「YELL」（2009年、作詞・作曲：水野良樹（いきものがかり））
※いずれも女声三部、混声三部の2版出版。後に混声四部版も制作。
女声合唱とピアノのための「立原道造の詩による四つの心象」
混声合唱とピアノのための「ブルレスカ」(2007)
無伴奏混声合唱曲「あらべすく ～ 歌人 京極為兼 讃 ～」
混声合唱とピアノのための「尾形亀之助の詩によるエチュード」(2014)

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