鷺宮 (中野区)

東京都中野区鷺宮：歴史と生活が織りなす街

東京都中野区の北西部に位置する鷺宮は、住宅地として穏やかな雰囲気を持つ地域です。正確な地名は鷺宮一丁目から六丁目まであり、住居表示は既に実施済みとなっています。郵便番号は165-0032です。

地理と交通

鷺宮の東側は中野区野方・丸山、北側は練馬区中村南と中野区上鷺宮、南側は中野区若宮・白鷺、西側は杉並区井草と隣接しています。新青梅街道が町域北端を、中杉通りが中央部を縦断しており、交通の利便性も確保されています。駅周辺には商店などが集積していますが、全体としては落ち着いた住宅街が広がっています。正式な行政地名は「鷺宮」ですが、「鷺ノ宮」や「鷺の宮」といった表記も広く用いられています。

交通アクセスは非常に便利です。西武新宿線の鷺ノ宮駅と都立家政駅が地域内にあり、鷺ノ宮駅は急行も停車するため、新宿方面へのアクセスも良好です。さらに、西端部からは西武新宿線の下井草駅も利用可能です。バス路線も充実しており、関東バス阿佐谷営業所が周辺地域を運行しています。中野区役所方面へのアクセス向上のため、コミュニティバス「なかのん」も運行されています。

歴史と地名の由来

鷺宮の地名は、1064年に源頼義がこの地に八幡神を祀る社殿を建立したことに由来します。これが現在の鷺宮八幡神社です。神社の境内に多くの鷺が棲息していたことから、「鷺宮大明神」と呼ばれるようになり、これが地名の起源となったと言われています。

江戸時代には多摩郡上鷺宮村と下鷺宮村の一部を形成しており、上鷺宮村は今川直房の所領、下鷺宮村は幕府直轄領でした。明治22年には東京府東多摩郡野方村の大字上鷺宮・下鷺宮となり、昭和2年には東京市中野区鷺宮一丁目から六丁目が成立しました。昭和2年には西武村山線（後の西武新宿線）の鷺ノ宮駅が開業し、昭和7年には府立家政駅（後の都立家政駅）が開業するなど、交通網の発展とともに街は発展を遂げてきました。

昭和40年には住居表示が実施され、現在の鷺宮一丁目から六丁目が定まりました。この際に、旧鷺宮の一部は丸山二丁目や野方六丁目などに編入されています。平成17年にはコミュニティバス「なかのん」の運行開始により、区役所へのアクセスがさらに向上しました。

地価と生活環境

住宅地の地価は、平成29年の公示地価によると、鷺宮3-28-5地点で43万4000円/m2となっています。これは、周辺地域と比較しても平均的な水準と言えるでしょう。

鷺宮には、区民活動センター、図書館、すこやか福祉センターといった公共施設が充実しており、住民の生活を支えています。また、西京信用金庫鷺宮支店をはじめ、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、書店、飲食店などが点在し、日々の生活に必要なものは容易に手に入ります。区立第八中学校、区立鷺宮小学校があり、教育環境も整っています。

その他

鷺宮地区で創業した鷺宮製作所（現在は若宮地区に本社を置く自動制御装置メーカー）や、将棋の戦法「鷺宮定跡」など、地域に関連する様々な話題があります。「鷺宮定跡」は、この地域に居住していた米長邦雄九段と青野照市六段が愛用していたことから命名されました。地名が似ている埼玉県久喜市鷲宮町や神奈川県川崎市宮前区鷺沼との住所の誤記も散見されます。

鷺宮は、歴史と現代生活が調和した、住みやすい街と言えるでしょう。

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