麻生磯次

麻生 磯次 (あそう いそじ)の生涯と業績

麻生 磯次は、1896年7月21日に千葉県の睦岡村（現在の山武市）で生まれました。彼は日本の国文学の専門家であり、その研究への貢献は非常に大きいものです。学位としては、1944年に東京帝国大学から文学博士を取得し、論文のテーマは「近世文学の支那的原拠と読本の研究」となっています。

教育とキャリアの始まり

磯次は1917年に第一高等学校の英法科を卒業し、1920年には東京帝国大学文学部を卒業しました。その後、朝鮮総督府で編集書記としての職務に就くものの、1923年には再び学問の道に戻り、東京帝国大学大学院に進学しました。これに続いて、愛知県第一高等女学校や第六高等学校で教授として教育に携わります。

1925年には京城帝国大学の教授に就任し、その後も第一高等学校での教鞭を執るなど、多くの学生に国文学の素晴らしさを伝えていきました。1944年には東京帝国大学にて学位論文を提出し、その結果として文学博士の学位を取得し、国文学の世界における権威としての地位を確立しました。

戦後の活動

戦後の1948年、磯次は第一高等学校の校長に就任し、その後1949年からは東京大学教養学部の教授を務めます。大学では評議員や学部長も歴任し、教育現場での影響力を発揮しました。特に彼は、池田亀鑑教授の国文科昇進に対して強く反対したことが記憶されています。その結果、国文科教授にも選ばれました。

1957年には学習院大学の教授となり、その後も大学長や理事、第19代学習院院長として多面的に大学の発展に寄与しました。1960年に定年退官し、東京大学名誉教授としてさらなる研究活動を継続しました。1966年には日本学士院会員に選ばれ、学術界での地位をさらに強固なものにしました。

受賞歴と栄典

麻生磯次は、その業績により多くの名誉と栄誉を受けました。1970年には文化功労者に選ばれ、1979年には死後に正三位と勲一等瑞宝章が追贈されました。彼の出身地である千葉県山武町では、名誉町民第一号に選ばれ、市川市では名誉市民としてその功績を讃えられています。

晩年と死去

晩年の磯次は、1971年の講書始での御進講を行い、文化の発展に貢献しました。しかし、1979年9月9日、老衰により千葉県市川市の自宅で83歳で亡くなりました。彼の墓所は市川市総武霊園にあります。

彼の多大な業績は、今もなお多くの国文学研究者や学生にとっての指標であり、とても尊敬されています。

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