麻薬取締員

麻薬取締員とは

麻薬取締員は、都道府県の職員であり、麻薬及び向精神薬取締法に基づき、薬物犯罪の捜査や規制薬物の不正使用の監視を行う専門職です。俗に「麻薬Gメン」や「マトリ」とも呼ばれます。主な任務は、麻薬の不正ルートの解明、正規麻薬（医療用など合法的に使用される麻薬）の不正使用、横流し、盗難などの監視・捜査です。

麻薬取締官との違い

麻薬取締官も薬物犯罪を取り締まる専門職ですが、麻薬取締員とは所属が異なります。麻薬取締官は厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部に所属する国家公務員であるのに対し、麻薬取締員は都道府県庁に所属する地方公務員です。

任命

麻薬取締員は、都道府県の薬事担当課の職員の中から、地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議の上、都道府県知事によって任命されます。また、人事交流により、ごく少数ですが厚生労働省麻薬取締部に出向する職員もいます。

権限

麻薬取締員は、麻薬及び向精神薬取締法により特別司法警察職員としての権限が付与されています。危険な職務であるため、司法警察員として職務を遂行する際に限り、小型武器（拳銃や特殊警棒など）の携帯が認められています。また、警察官と同様の逮捕術の訓練を受けています。

麻薬取締員には、おとり[[捜査]]を行う権限も与えられています。麻薬及び向精神薬取締法第58条に基づき、違法に流通している麻薬を所持しても処罰されません。このおとり[[捜査]]は、麻薬取締官と麻薬取締員のみに認められた行為で、密売ルートを遡るために不可欠です。

職務の性質上、麻薬取締官や都道府県警察と密接に連携しており、麻薬及び向精神薬取締法第56条でも協力関係が規定されています。

定員

以前は、政令によって各都道府県の麻薬取締員の定員が定められていましたが、平成17年4月以降、地方分権に伴う措置として定員枠は廃止されました。現在は各都道府県が必要に応じて人数を任命できることになっています。

関連法規と組織

麻薬取締員の活動は、以下の法律や組織と密接に関連しています。

あへん法
大麻取締法
覚醒剤取締法
国際的な協力の下に規制[[薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律]]（麻薬特例法）
アメリカ合衆国の警察#特別な法執行機関
麻薬取締局

参考文献

鈴木陽子『麻薬取締官』集英社、2000年。ISBN 4087200515。

外部リンク

麻薬取締官
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