黄世邏

黄 世邏（ふぁん せら）

黄 世邏（ふぁん せら）は、2003年2月3日に生まれた日本のラグビーユニオン選手です。現在は、国内ラグビーのトップリーグであるジャパンラグビーリーグワンに加盟するNECグリーンロケッツ東葛の一員として、主にプロップのポジションでプレーしています。

彼のラグビーキャリアは、愛知朝鮮中学校に進学した中学1年生の時に始まりました。この頃から競技に親しみ、その後、愛知県内でラグビー強豪校として名高い中部大学春日丘高等学校へ進学。高校時代には、厳しい練習と実戦を通じてスキルを磨き、高校3年生の時には、ラグビー選手の憧れの舞台である全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」に出場。チームの中心選手として活躍し、チームをベスト8進出へと導く原動力となりました。

高校卒業後、黄選手は関西学生ラグビー界の強豪、関西学院大学に進学し、大学ラグビーの舞台で自身の力を試すことになります。大学2年生時に、関西大学春季トーナメントの京都産業大学との試合で、自身初の大学公式戦出場を果たしました。この試合で左プロップとして先発メンバーに名を連ねたことは、彼の大学ラグビーにおける重要な一歩となりました。

特に大学3年生となった2023年は、黄選手にとって飛躍の年となりました。同年5月から6月にかけて、将来の日本代表を担う若手選手が集まるU20日本代表およびジュニア・ジャパンの活動に招集されます。ニュージーランド学生代表との対戦や、国際大会であるワールドラグビーパシフィックチャレンジ2023に出場し、世界の強豪を相手に貴重な実戦経験を積みました。これらの大会で全試合に出場したことは、彼の才能とポテンシャルの高さを示すものであり、国内外から注目を集めるきっかけとなりました。大学4年生時には、関東ラグビーフットボール協会設立100周年を記念して開催された特別な大会において、東西の学生選抜選手で構成されるチームの一員として、西軍学生代表として選ばれ、出場しました。

大学での活躍と将来性が認められ、関西学院大学に在学中の2025年1月23日、ジャパンラグビーリーグワンのNECグリーンロケッツ東葛へのアーリーエントリーでの加入が正式に発表されました。アーリーエントリー制度は、大学リーグ期間中にプロリーグでの試合に出場できるもので、早期のプロ環境への適応とチームへの貢献が期待されます。そして、2025年3月には関西学院大学を卒業し、プロラグビー選手としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

中学、高校、大学と着実にステップアップし、若くしてU20日本代表やジュニア・ジャパンといった国際舞台での経験も積んだ黄世邏選手。プロップという重要なポジションで、NECグリーンロケッツ東葛の戦力として、今後のジャパンラグビーリーグワンでの活躍が大いに期待される選手です。

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