黄宗載

黄宗載（こう そうさい）

黄宗載（1366年 - 1444年）は、明代の官僚であり、字を厚夫、またの名を垕と称しました。本貫は隆興府豊城県です。

生涯

1397年（洪武30年）に進士に及第し、行人に任じられました。彼は各地への使節としての任務を誠実に果たし、その際、贈物を受け取ることは一切ありませんでした。その後、司正へと昇進しました。

1403年（永楽元年）、黄宗載は推薦により湖広按察司僉事に任命されました。当時、銅鼓と五開の間には多くの罪人が流刑に処され、兵役についていましたが、現地の官吏と結託し、不正行為を働いていました。黄宗載は彼らの罪状を明確にし、「改めなければ法によって厳しく処罰する」と警告しました。これにより、不正行為は一掃されました。また、武陵では、軍籍を持つ者が多く、婚姻による税負担の増加を恐れて、40歳になっても未婚の男女が多くいました。黄宗載は、その状況を丁寧に説き、300組以上の婚姻を成立させました。この影響は周辺の地域にも広がり、婚姻を避ける風習を大きく変えました。その後、黄宗載は文淵閣に召し出され、『永楽大典』の編纂に携わり、海運用の巨艦数十隻の建造を監督する責任者も務めました。

永楽帝の漠北遠征や湖広の反乱鎮圧の際には、使者の貪婪な行為や遅延により問題が発生しました。黄宗載はその責任を問われ、楊青駅の駅夫に左遷されるという不遇を経験しました。

1418年（永楽16年）、黄宗載は監察御史として復帰し、交趾巡按として派遣されました。当時、交趾は新たに平定されたばかりで、州県の官吏の多くは両広や雲南からの挙人や歳貢生員で、民衆を統治する能力に欠けていました。1419年（永楽17年）、黄宗載は「職務に適さない官吏がおり、9年待って官位を調整するのでは統治が緩んでしまう」と進言し、2年以上任用された官吏に対しては巡按御史と両司による厳正な調査を求めました。永楽帝はこの進言を受け入れました。南京に帰還する際、黄宗載は交趾のものを一切持ち帰らず、その清廉さを改めて示しました。その後、祖母の喪に服し、1424年（永楽22年）10月に官に復帰し、詹事府丞に転じ、12月には吏部右侍郎に抜擢されました。

1426年（宣徳元年）、黄宗載は浙江の軍の粛正を命じられ、1428年（宣徳3年）には湖広での木材伐採の監督を行いました。1435年（宣徳10年）、吏部侍郎の羅汝敬が陝西巡撫として罪に問われ免官となりましたが、勅命を勝手に解釈して復職しました。吏部はこれに何も言わなかったため、御史の弾劾により、黄宗載は吏部尚書の郭璡とともに投獄されました。しかし、すぐに釈放され、南京吏部尚書に転任しました。

1443年（正統8年）5月、黄宗載は官を辞し、1444年（正統9年）7月、自宅で亡くなりました。享年79歳でした。

黄宗載は、その生涯を通じて、清廉潔白で公正な官吏として活躍しました。地方官としては民衆の生活を安定させ、中央官僚としては行政の効率化に貢献しました。その功績は、明代の歴史に深く刻まれています。

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