黄色いからす

映画『黄色いからす』の詳細

『黄色いからす』（きいろいからす）は、1957年に日本の五所平之助監督によって制作された映画です。カラーでスタンダード形式で撮影され、上映時間は103分です。この映画は、同年に公開された『えんぴつ泥棒』と同時上映されました。

概要

本作は五所平之助監督と、館岡謙之助や長谷部慶次によるオリジナル脚本が特徴的で、作家の由起しげ子が台詞部分の執筆にも関与しています。物語は、小学生の清（演：設楽幸嗣）とその母親である吉田マチ子（演：淡島千景）の2人暮らしの家庭を中心に展開されます。清の父、一郎（演：伊藤雄之助）が戦後復員してきますが、父は過去の後輩のもとで働くことに不満を抱えており、その影響で息子に対しても冷たく接する状況が描かれます。

さらに、家族には妹の光子が生まれ、清はますます疎外感を募らせていきます。この背景には戦争の影響が色濃く反映されており、清が抱える孤独感の原因を物語が解き明かしていくのです。

物語の展開

物語が進む中、清は女教師である芦原靖子（演：久我美子）とともに、怪我をした幼いカラスの子を保護します。この出来事がきっかけとなり、清は父との関係に悩み、さらには父が約束していた大凧の購入が果たされないことから家出という行動に出てしまいます。その捜索の過程で、母のマチ子は息子の孤独感に気がつき、家族間の問題の根本に戦争の傷があることに気付きます。

最終的に、清が見つかり、父との間に涙の抱擁が交わされることで、家族のわだかまりが徐々に解消されていく様子が描かれ、家族愛の重要性が強調されます。この作品は、家族の絆や戦後の悲しみ、そしてそれを乗り越える力を描いており、多くの観客の心を打ちました。

受賞歴・評価

『黄色いからす』は1957年に第15回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞しており、その評価が高いことを物語っています。この映画は、それだけでなく日本における映画史においても重要な位置を占めています。

スタッフとキャスト

映画は監督の五所平之助をはじめ、脚本の館岡謙之助、長谷部慶之といった才能あるスタッフによって支えられています。また、キャストには吉田マチ子役の淡島千景をはじめ、多くの役者たちが顔を揃え、物語に深みを与えています。

映像ソフトのリリース

本作は1992年6月21日に松竹ホームビデオからビデオソフト（VHS）として発売され、今でも多くの映画ファンに親しまれています。

結語

『黄色いからす』は、家族の絆や戦争による影響を描いた感動的な作品であり、日本の映画界においても記憶に残る名作となっています。

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