黄虎林

黄虎林について

黄虎林（ファン・ホリム、황호림）は、ソ連および北朝鮮において卓越した軍人として知られる高麗人です。本名はアレクサンドル・グリゴリエヴィチ・フヴァン（Александр Григорьевич Хван）。彼の生涯は、軍の発展と国家の変遷とともにあり、多様な役割を果たしました。

経歴

黄虎林は1909年に沿海州で誕生しました。1933年には赤軍に召集され、1937年にレニングラード州工兵学校を卒業してから、彼の軍人としてのキャリアが始まります。同年11月には独立工兵大隊の技術半中隊長に就任し、1938年には第132連隊の小隊長に任じられました。その後も彼は様々な職務を歴任し、1940年には工兵教官として活動しました。

第二次世界大戦中の1945年には、第1ベラルーシ戦線の第8機械化師団で工兵中隊長としてベルリンの戦いに参加し、その戦績が後の彼の評価に繋がりました。このような戦争経験を経て、1946年には平壌にてソ連軍事顧問団の通訳としても勤務します。その後、平安南道に所在する保安幹部訓練大隊の工兵部長としての役割を担い、軍事教育に携わりました。

とはいえ、黄虎林には不運もありました。彼は司令部内での立場に不満を抱き、より低い地位にあった姜健との争いに発展し、最終的には追放されることになりました。1948年にソ連に帰国した後は、ウズベク・ソビエト社会主義共和国のコルホーズにある学校で軍事指導員として活動し、その後ウクライナへ転任しました。

人となり

黄虎林の人物像は複雑です。彼は非常に短気で神経質な性格であったと朱栄福は記しています。副総参謀長として在任時には、しばしば司令部に姿を現し、周囲の人々に細かな指摘を行っていたため、少なからず嫌われていたようです。その一方で、アメリカ情報部によると、彼は読み書きができなかったものの、その優れた指導力と性格によって北朝鮮での地位を得たと言われています。ロシア語は堪能でしたが、朝鮮語の習得には苦労したようです。

勲章

黄虎林の軍歴には、多くの勲章も存在します。彼は1945年に赤星勲章を受章し、続いて1946年には戦功記章、ベルリン攻略記章、そして1941年から1945年の大祖国戦争における対ドイツ戦勝記章を受けています。これらの勲章は、彼の軍人としての貢献を証明するものであり、歴史に残る存在となる理由の一部でもあります。

出典

この情報は、赤木完爾の編纂した『朝鮮戦争 休戦50周年の検証・半島の内と外から』や、朱栄福の『朝鮮戦争の真実 元人民軍工兵将校の手記』などの参考文献に基づいています。

黄虎林の生涯は、時代や国家の変化に応じた多様性を浮き彫りにし、彼自身の軍人としての影響力と、その背景にある複雑な人間関係を示すものでした。

もう一度検索