黎裕宗

黎裕宗の生涯と業績

黎裕宗（れいゆうそう、Lê Dụ Tông）は、後黎朝における大越中興期の第24代皇帝です。彼の個人名は黎 維禟（Lê Duy Cáp）または黎 維祹（Lê Duy Đào）として知られています。

幼少期と即位

黎裕宗は熙宗の長男として生まれ、その後、正和26年（1705年）に父から譲位され、26歳の若さで皇帝となりました。彼の即位は後黎朝において重要な出来事であり、彼の治世が如何に国家運営に影響を与えたかは、その後の歴史においても語り継がれることになります。

政治的業績

彼の治世においては、特に宗教に関する政策が注目されます。永盛8年（1712年）にはキリスト教の布教を禁止し、国家の宗教的な安定を維持しようとしました。これは当時の社会や文化に大きな影響を与え、民衆の信仰体系を保つ重要な施策とされます。

さらに、永盛15年（1719年）12月、清国から遣わされた内閣中書の鄧廷喆により安南国王に封じられ、国際的な承認を得ることもできました。

科挙改革

黎裕宗の治世でのもう一つの重要な業績は、保泰4年（1723年）に初めて武挙を設けた点です。これは、武士階級の地位を向上させ、国家の防衛力を強化することを目的としていました。さらに、この改革により、多くの有能な人材を国家の運営に取り込むことができました。

退位と死去

しかし彼の治世は、安都王鄭棡からの脅迫により困難な状況に直面します。保泰10年4月21日（1729年5月18日）、彼は次男の皇太子黎維祊に譲位し、太上皇として余生を送ることになりました。これは皇帝としての責任から解放された瞬間であり、彼の内政上の課題が如何に深刻であったかを示しています。

永慶3年（1731年）1月21日、黎裕宗は52歳でこの世を去り、彼の遺体は古都陵（現在のタインホア省ティエウホア県ティエウド社）に葬られ、後には雷陽の金石陵（タインホア省トースアン県トースアン市鎮）に改葬されました。

1968年、北ベトナムの考古学チームによる発掘調査が行われ、彼の墓からは良好な状態の遺体と多くの服飾品が出土しました。これにより、黎裕宗の治世の影響やその時代の文化的背景を知る貴重な資料が提供されました。

結論

黎裕宗の治世を通じて、彼は後黎朝における重要な政治的・文化的な取り組みを行い、国家の中興に尽力しました。彼の業績は、ベトナムの歴史において長きにわたって評価され続けることでしょう。

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