黒沼弘己

黒沼 弘己（くろぬま ひろみ）

1956年3月7日、北海道に生まれる。身長176cm、体重67kg、血液型O型。富士企画所属。
俳優としてのキャリアは、まず前衛的な活動で知られる状況劇場への参加から始まった。その後、1987年に設立された新宿梁山泊の旗揚げに参加し、以降、この劇団の中心メンバーとして数々の舞台に出演した。国内のみならず、海外公演にも積極的に参加し、その存在感を広く知らしめた。1997年に同劇団を退団した後も、黒沼弘己は精力的に俳優活動を継続している。特に舞台を中心に活動の幅を広げ、ジャンルを問わない多数の作品に出演。その中でも、時代劇においては多くの作品で重要な役どころを演じ、時代劇俳優としても確固たる地位を築いている。

映像作品においてもその才能を発揮しており、テレビドラマ、映画、オリジナルビデオなど多岐にわたる分野で活躍。テレビドラマでは、NHKの大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』（2003年）や『龍馬伝』（2010年）に出演したほか、『茂七の事件簿 ふしぎ草紙』（2001年）、『最後の忠臣蔵』（2004年）、『柳生十兵衛七番勝負 島原の乱』（2006年）、『風の果て』（2007年）といったNHKの時代劇シリーズに多数出演し、独特の存在感を示した。民放各局のドラマにも多数ゲスト出演しており、TBSの月曜ドラマスペシャルや月曜ミステリー劇場、テレビ朝日の土曜ワイド劇場など、2時間サスペンスやミステリー作品での出演も多い。テレビ東京の新春ワイド時代劇『天下騒乱〜徳川三代の陰謀』（2006年）や『寧々〜おんな太閤記』（2009年）にも出演している。また、テレビ朝日系列の人気ドラマ『相棒 seasonII』（2003年-2004年）にも複数回にわたり出演し、斉藤刑務官役を演じた。

映画においては、1993年の『雨の轍』で主演を務めた。その後も、崔洋一監督の『マークスの山』（1995年）、『刑務所の中』（2002年）、佐藤寿保監督の『やわらかい肌』（1998年）、塚本晋也監督の『バレット・バレエ』（2000年）、『悪夢探偵』（2007年）、塩田明彦監督の『ギプス』（2001年）、篠崎誠監督の『忘れられぬ人々』（2001年）、原田眞人監督の『突入せよ!あさま山荘事件』（2002年）、是枝裕和監督の『誰も知らない』（2004年）など、日本映画界を代表する監督たちの作品に多数参加。特に熊切和嘉監督とは『アンテナ』（2004年）、『日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場『第二夜』爛れた家』（2004年）、『フリージア』（2007年）、『海炭市叙景』（2010年）と複数回にわたり組んでおり、その信頼関係がうかがえる。オリジナルビデオでは、黒沢清監督の『ヤクザタクシー 893 TAX』（1994年）に出演した。

ナレーションの分野でも活動しており、「エーゲ海・猫たち楽園の島々」や「地中海・猫の旅6500キロ」といった旅番組のナレーションを担当している。

舞台活動はキャリアの中心であり、新宿梁山泊時代には『人魚伝説』、『少女都市からの呼び声』、『唐版 風の又三郎』など、同劇団の代表的な作品に多数出演。退団後も、2001年の『天国の本屋』、2004年の『はれみ』、2008年の『手紙』など、外部の公演にも積極的に参加し、その表現力豊かな演技で観客を魅了し続けている。

旧芸名および本名は「黒沼 弘巳」であったが、現在は「黒沼 弘己」として活動している。

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